|
テーマ:読書メモ(89)
カテゴリ:本
「吊るされた女」―Crime School―
キャロル・オコンネル著 2012/6/29 務台夏子=訳 創元推理文庫 吊るされた女 / 原タイトル:CRIME SCHOOL (創元推理文庫) (文庫) / キャロル・オコンネル/著 務台夏子/訳 【中古】吊るされた女 / キャロル・オコンネル ■あらすじ キャシー・マロリー、ニューヨーク市警刑事。 完璧な美貌の天才的ハッカー、 他人に感情を見せることのない氷の天使。 相棒の刑事ライカーの情報屋だった娼婦が吊るされた。 美しい金髪は切られて口に詰めこまれ、周囲には虫の死骸。 臆測を巡らす他の警官を尻目に、 マロリーは事件を連続殺人鬼の仕業と断定する。 だが……。 ミステリ史上最もクールなヒロインが、連続殺人鬼に挑む。 ■感想(ネタバレあり) すごい一冊を読んでしまった。 主人公のキャシー・マロリーは多くを語らず、 ほとんどが相棒のライカーや友人のチャールズや 新人刑事のデルースらの視点からの展開で 事件やキャシー・マロリーを知っていく事になる。 キャロル・オコンネルのミステリは。 「クリスマスに少女は還る」1999年と 「天使の帰郷」2003年と「愛おしい骨」2010年を読んでいたが、 キャシー・マロリーものの一作目「氷の天使」は 何度も題を見たせいか、読んだと思ってた。 だけど、どうも読んでいないらしい。 いや、一度借りて読めなかった気がする キャシー・マロリーは知らないなぁと思いながら読み終わり、 今更調べたら、 「天使の帰郷」はキャシー・マロリーものだったんだぁぁぁぁ( ̄Д ̄; 筋はなんとなく覚えているけど。 キャシー・マロリーがそこまでインパクトのある刑事だったとは 気付かなかったなぁぁぁぁ( ̄Д ̄; この「吊るされた女」では、 あちこちに散らばった欠片が 徐々にどれほど大事かが解って来る。 ライカーの行動への疑問が次々に湧いて来て、 それがトンネルでの驚きに繋がり、 キャシーの子供時代の解明にもなる。 前半はなぜ?がどんどん膨らみ、 後半はそのなぜ?が少しずつ繋がって キャシーの事を知り、 小さな子供がどんなに頑張って生き抜いたのかを理解し、 驚くべき小さなキャシーを守りたくなる。 そして小さい欠片を集め終わって 最後に出来たものは光り輝くダイヤだった。 そんな一冊だった。 脇役もみんな魅力的で面白かった。 特にライカーとチャールズと 亡くなった養父のマーコヴィッツとスパローは 表に出さないけれど、 キャシー・マロリーや人間に対する 深い愛情や尊厳や誠意に強く惹かれる。 新人刑事デルース、娼婦達の言動や反応にも 作家の愛情深い視点を感じる。 「クリスマスに少女は還る」「愛おしい骨」で 人間に対する愛情深さがひしひしと伝わって来て、 忘れられない作家ではあったんだけれど、 この「吊るされた女」は冷徹な視点と観察や 素晴らしいストーリーと深い愛情で、 もうね、すごい一冊でした!!!!! 一作目の「氷の天使」を読んでから 「天使の帰郷」も読み返さねば。 2018年9月17日読了 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 17, 2018 11:11:17 PM
コメント(0) | コメントを書く
[本] カテゴリの最新記事
|