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November 17, 2018
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テーマ:読書メモ(89)
カテゴリ:
「吊るされた女」―Crime School―
キャロル・オコンネル著 2012/6/29
務台夏子=訳 創元推理文庫


吊るされた女 / 原タイトル:CRIME SCHOOL (創元推理文庫) (文庫) / キャロル・オコンネル/著 務台夏子/訳​​
【中古】吊るされた女 / キャロル・オコンネル

■あらすじ
キャシー・マロリー、ニューヨーク市警刑事。
完璧な美貌の天才的ハッカー、
他人に感情を見せることのない氷の天使。
相棒の刑事ライカーの情報屋だった娼婦が吊るされた。
美しい金髪は切られて口に詰めこまれ、周囲には虫の死骸。
臆測を巡らす他の警官を尻目に、
マロリーは事件を連続殺人鬼の仕業と断定する。
だが……。
ミステリ史上最もクールなヒロインが、連続殺人鬼に挑む。


■感想(ネタバレあり)
すごい一冊を読んでしまった。
主人公のキャシー・マロリーは多くを語らず、
ほとんどが相棒のライカーや友人のチャールズや
新人刑事のデルースらの視点からの展開で
事件やキャシー・マロリーを知っていく事になる。

キャロル・オコンネルのミステリは。
「クリスマスに少女は還る」1999年と
「天使の帰郷」2003年と「愛おしい骨」2010年を読んでいたが、
キャシー・マロリーものの一作目「氷の天使」は
何度も題を見たせいか、読んだと思ってた。
だけど、どうも読んでいないらしい。
いや、一度借りて読めなかった気がする

キャシー・マロリーは知らないなぁと思いながら読み終わり、
今更調べたら、
「天使の帰郷」はキャシー・マロリーものだったんだぁぁぁぁ( ̄Д ̄;
筋はなんとなく覚えているけど。
キャシー・マロリーがそこまでインパクトのある刑事だったとは
気付かなかったなぁぁぁぁ( ̄Д ̄;

この「吊るされた女」では、
あちこちに散らばった欠片が
徐々にどれほど大事かが解って来る。

ライカーの行動への疑問が次々に湧いて来て、
それがトンネルでの驚きに繋がり、
キャシーの子供時代の解明にもなる。

前半はなぜ?がどんどん膨らみ、
後半はそのなぜ?が少しずつ繋がって
キャシーの事を知り、
小さな子供がどんなに頑張って生き抜いたのかを理解し、
驚くべき小さなキャシーを守りたくなる。

そして小さい欠片を集め終わって
最後に出来たものは光り輝くダイヤだった。
そんな一冊だった。

脇役もみんな魅力的で面白かった。
特にライカーとチャールズと
亡くなった養父のマーコヴィッツとスパローは
表に出さないけれど、
キャシー・マロリーや人間に対する
深い愛情や尊厳や誠意に強く惹かれる。

新人刑事デルース、娼婦達の言動や反応にも
作家の愛情深い視点を感じる。

「クリスマスに少女は還る」「愛おしい骨」で
人間に対する愛情深さがひしひしと伝わって来て、
忘れられない作家ではあったんだけれど、
この「吊るされた女」は冷徹な視点と観察や
素晴らしいストーリーと深い愛情で、
もうね、すごい一冊でした!!!!!

一作目の「氷の天使」を読んでから
「天使の帰郷」も読み返さねば。


2018年9月17日読了





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Last updated  November 17, 2018 11:11:17 PM
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