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ちょっとライブドアの件は、硬直状態なので、今のうちに基本に戻りますね。
そもそもライブドアがどうして批判されるかという基本をまだ書いていませんでしたね。 1、ニッポン放送の買収がマネーゲームに見えること 2、持分の3分の1を取得するならTOBをかけること、というルールに違反していること この二つが大きいですよね。 まず、一つ目に関してはライブドアはニッポン放送を買収することによって、どんなメリットがあるかをキチンと説明しないといけないです。例えば、「ニッポン放送の売上は○%上がります」とか、「利益率は○%向上しますとか」。そして、聴衆者に対しては「こんなワクワクするサービスを提供するんです」と言えればベスト。 それがまだ見えないので、マネーゲームに見られてしまうんでしょうね。このあたりは堀江氏の今後の課題だと思われます。 そして、二つ目。これが一番物議を醸し出しているわけですが、証取法によると 「不特定多数の人から5%以上の株式を購入する場合、及び3分の1以上の持分を市場外で買い付ける場合は公開買付を行うこと」、となっています。今回の堀江氏のやり方は、不特定多数の人たちから株式を購入しているわけではないので、5%以上持ってもTOBをする必要はありません。では、物議を醸し出しているのは、そうです、市場外で3分の1以上所有する場合です。 ある会社の株式の3分の1を所有すると拒否権が発生します。この拒否権は非常に大きな影響力を持つので市場外で3分の1以上の買収の場合は公開買付をして、 「私はこの会社の3分の1以上の株式取得を目指して、○○円で公開買付を行います」と宣言しないといけません。これは株主公平の原則ということで、市場外でそれほどに影響力のある持分を持つ人が出てくるならば、公開買付という形で事前に公して、他の株主からも承認を得ること、みたいな概念があるのです。 で、今回のライブドアですが、細かいところを除くと公開買付を行わずして3分の1以上を取得できる方法、しかもそれが法制度の不整備をついた形で実現しました。ので、合法なのですが、法制度の不備をついた=紳士協定に反する、ということで、批判されています。で、ライブドアがとった手法はTostnetと呼ばれる東証の手続きでして、この手続きを用いて大きな持分の移動があるということはあまり想定されていませんでした。 このTostnet、興味ある方はこちら(http://www.tse.or.jp/cash/tost/)で確認できますが、市場営業時間外にも匿名の相手を探して実質的に合いたい取引を可能とする制度ですね。どうしてこんな制度ができたかというと、そもそも制度は1998年にできています。そうです、金融不安の真っ只中です。当時、日本の金融機関は持ち合い解消に躍起になっていました。つまり、持ち合い株式を売却しないといけなかったのです。で、その株式を市場で売却すると株価の下落要因となります。うーん、困った、ということで誕生したのがこの実質的なあいたい取引を可能とするTostnetの誕生でした。 つまり、金融不安のさなかにあった日本の金融機関の持ち合い解消のために急場で作られた制度です。この制度の下金融機関は持合を解消していきました。従って、この制度の虚をつかれる形での今回のライブドアのやり方は、金融庁をはじめとする政府側は認めたくはないのですよね。 まあ、いづれにせよ、ライブドアはそのような虚をついたわけです。「原則3分の1以上を市場外から買い付けるときは公開買付を経るべきと知っていながら、そんな虚を突いたやり方はルール違反だ!」というのが今回ライブドアが批判されている大きな理由ですね。 もちろんそれ以外にも根回しがなかったとか、日本の土壌にそぐわないとか、いろいろありますが、買収手法で見た場合はこのような形です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 3, 2005 12:58:16 AM
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