テーマ:囲碁全般(743)
カテゴリ:碁の本
著者は、団塊の世代の文学部卒の新聞記者である。 ひとつひとつのエピソードを、その周辺の時空間にまで取材を広げてから、 改めて関連づけ、意味づけという作業をした形跡がある。 「加藤の生涯を追いながら、戦後を辿りたかった」という著者の言葉通り、 戦後の社会、時代をも背景にして語る手法は、 秋山賢司、小堀啓爾ら囲碁ライターによる作品とは一線を画す。 精巧なハイパーメディアをイメージさせる。 その因果を解きほぐすような味わいや楽しみが、この本にはある。 加藤正夫が囲碁と出会い、さらに人生の節目節目で大切な人々と出会い、 そして導かれてきたのだ、と感じさせる内容だ。 尚、表紙の題字は、打碁集『怒濤の譜』と同様、泉夫人の筆によるものである。 『精魂の譜 棋士加藤正夫と同時代の人々』(有水泰道) 誠文堂新光社2006 (文中 敬称略) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 4, 2008 11:00:02 PM
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