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碁盤を囲んで

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February 9, 2008
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テーマ:囲碁全般(743)
カテゴリ:碁の本

精魂の譜.JPG


棋士 加藤正夫の生涯を描いた、『怒涛の譜』別巻というべき書。

著者は、団塊の世代の文学部卒の新聞記者である。

ひとつひとつのエピソードを、その周辺の時空間にまで取材を広げてから、

改めて関連づけ、意味づけという作業をした形跡がある。

「加藤の生涯を追いながら、戦後を辿りたかった」という著者の言葉通り、

戦後の社会、時代をも背景にして語る手法は、

秋山賢司、小堀啓爾ら囲碁ライターによる作品とは一線を画す。
 
丁寧に紡がれたエピソードのネットワークは、

精巧なハイパーメディアをイメージさせる。

その因果を解きほぐすような味わいや楽しみが、この本にはある。

加藤正夫が囲碁と出会い、さらに人生の節目節目で大切な人々と出会い、

そして導かれてきたのだ、と感じさせる内容だ。

尚、表紙の題字は、打碁集『怒濤の譜』と同様、泉夫人の筆によるものである。

『精魂の譜 棋士加藤正夫と同時代の人々』(有水泰道)

誠文堂新光社2006

(文中 敬称略)






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Last updated  March 4, 2008 11:00:02 PM
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