いっちこねっと

興福寺国宝展に行ってきました。
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/planed_jp.htm

奈良旅行で興福寺もいったのですが、
近鉄奈良駅に近いという好立地を理由に後回ししたため、
東金堂をぱぱっとみただけで、あまりみられませんでした。
それを補うためと思って、上野ついでということもあって行ってきました。

教科でいうと社会が苦手だけあって、
お寺を語るには、言葉足らずもはなはだしいのですが、語らせていただくと！

興福寺の起源は７００年ぐらいと結構古いにもかかわらず、
たびたびの戦火でいろんなものを焼失し、古いものは残っていないよう。
それどころか、ほかのお寺からかっぱらってきたものまで祭られていたりもする。
今残っているものや、展示会の出品は、
鎌倉時代を中心に復興したものがほとんどのようだ。
仏像は、奈良時代がすばらしいと思い込んでいる私にとって、
鎌倉時代のものは、少し物足りなく、世俗的に感じられる。
奈良時代のほうが立派なんです。

まずは、写実的というんでしょうか？？仏というよりも、人に近い。
このため、現実味が強く身近に感じられる反面、超越したパワーが弱い。
超越したかんじというのは、うまく説明できませんが、
みただけで、その前にいるだけで理由は分からないけれど、「ありがたや～」と、
思わず手を合わさせられてしまうような力とでもいいましょうか．．

それから、庶民的、商売的な感じがする。
この時代、像よりも、絵画（掛け軸）が多い。
（これはひょっとすると奈良時代は古すぎて残っていないだけかもしれないが・・）
こんな仏様だったら、家に飾りたいなどと、思ってしまうほうですが、
そう思う裏には、量産→幅広く庶民に販売→お寺の儲け→お寺の建て替え
といった商売のにおいを感じてしまう。
自分の家においておきたいと思わせるためにも、
仏が媚びている・・極端に言えばそんな印象が残ります。
お寺がお寺として生き延びていくためには、
それなりの資金源が必要なわけであり、必要なことなんでしょうが、
どちらかといえば、興ざめのかんじがあります。

奈良時代のほうがすばらしいと仮定しての話ですが、
奈良時代にできて、なぜ、鎌倉時代にできない！
新しい時代のほうが前世の知恵が生きて、豊かなはずなのに？です。
長年疑問でした。

最近ＳＰＩといういわゆるマークシートの試験を受けたのですが、
その中でその答えになる問題がたまたまありました。
一言で片付けると、鎌倉時代と奈良時代では、
お寺だとか、仏にかける気合の違いでしょうか？
世を治める、すなわち政治をするためには、民衆の求心力が必要なのですが、
そのよりどころとなるものが、奈良時代は、お寺といった建造物と仏像であったが、
鎌倉時代には、発展して、もう少し違うものに移っていったということです。
現代の求心力でいえば、経済かもしれません。
お寺を作ったとか、仏を彫ったというよりは、
ＩＴ企業を興して一儲けした（さらには野球チームを作ったとか？）といった方が、
人々は、「ほーっ。すげーっ。」となるでしょう。たぶん。

そんなわけで、鎌倉時代にお寺や仏像の復興に力を入れた人は、
その時代のステータスとしては、奈良時代よりは、劣るんだと予想されます。
それゆえ、裕福層への媚なくしては、やっていけなかったかもしれず、
写実的な像を作る技術も必要だったと思います。
自分の像を作りたい、それなりのお金を払う！といっていた人いるかもしれないし。

実在した人物の像を見る機会って結構ありますよね。
最近は、その像を作ったきっかけに興味があります。
三越１００年祭では、あなた様の銅像承りの商品があります。
いったいどんな人が作るのやら？と興味シンシンです。
ま、予想されることとしては、ナルシータイプ？あるいは名誉にこだわるタイプ？
それとも自己顕示欲が強いタイプ？
とすると、興福寺国宝展にある像で実在する人物のそれは、
まわりがどうしてもあの人の像がほしいといって作られたのか、
ある程度功績のある人だから、作らざる得なかったのか？
なんとなくですが、功績を盾に自ら作るよう働きかけたような気がします。
つまり、こいつら、ナルシー？
など、最近、仏を見たり、世界遺産的な何かを見ると、
現代の出来事のあれこれを重ね合わせて、トラップしてしまいます。