凍えたココロ

この数日、シェイカーを振ってカクテルを作っている。

今まではステアするだけのカクテルであったが、

シェイカーで作ると空気とリキュール等が混ざり合って、

柔らかい味のカクテルに仕上がるのである。

孤独な夜中の、唯一の楽しみである。







夢見が悪かったからなのか、酷い抑うつ状態に陥り、

正に全てが虚無である。

どうすることも出来ない。きっと悪夢をみたのは、今読んでいる

Ｓ．キングの『ミザリー』の所為かも知れない。

私にとって余りにも強烈であり、

その世界に嵌り込んでしまっている。







抑うつ状態であるからなのか、何もかも虚しく感じる。



毎日毎日同じ事の繰り返し！

決まった時間に店へ行き過食食材を購入して！

過食嘔吐する時間が来たら、強迫観念が

『食べねばならない！そして吐け！』と

脳に指令を出し、それに従わざるを得ない！

食べる事なんてもう、うんざりだと思っているのに！

毎日毎日同じものを食べ虚しい事を繰り返す！

此処から逃れる術は『死ぬ事』しかないのではないか！



と言う思いに支配されている。

どうやっても拭い去れない。

だから虚無で抑うつ状態なのであろう。







ここまで落ち込んでしまったら、もうお薬に因って

脳を休ませるしかない。

抗不安剤を１錠服用し、頭の中をまろやかにさせる。

少し眠気が強く出るお薬なので、

心身共にも休ませられるであろう。







そして気分転換を図る為に、ピアスを替えた。

今までずっとシルバーのリングを付けていたのであるが、

今回はピンクのラインストーンで出来ている、

クロスのピアスにした。お盆の際、祖母から貰った

お小遣いで購入した。丁度３割引で売られていたので、

元値より３００円安く購入できた。

いつも身に付けていられるものを購入できた事は

とても嬉しいものである。







でも、そんな瑣末な事でこの抑うつ感は拭い去れず、

未だ真っ黒な塊となって、胸に居座っている。



また今日も昨日と同じ繰り返しをすると思うと

本当にうんざりする。もう何もしたくない。



しかし、定期的にやってくる過食衝動には打ち勝てない。

『勝ち負け』

の問題ではない事は承知している。

けれども雪崩れるように、過食嘔吐へ走る事は

自分自身にうんざりするし、気が抜けて呆けている状態である。







夜になると涼しい心地良い風が、部屋に吹き込むようになった。

エアコンの涼しさとは違って柔らかく私を包んでくれる。

だけど一旦堕ちてしまった気持ちでは、中々這い上がる事はできない。







過食衝動が襲ってきた時、一旦回避する事は出来る。

しかし、後から物凄い反動をもって、再びやってくるのである。

もう９月になるので、１２年この摂食障害を患っている事になるが、

どう対処して良いか未だに解らない。







苦しい、面倒臭い、辛い、哀しい、心細い。

そういった感情が絶え間なく押し寄せてくる。

その様な状態に陥ったら、時間しか解決してくれる

ものはない。只管、只管耐えるしかない。言葉に出来ないのであるから。

様々な想いが頭と心を駆け巡り、より一層苦しみを増す。

しかし自らでしか、己を助ける事は出来ない部分もある。

私の可能性は一体何処に眠り、隠れているのであろうか。

そしてまた毎日同じ繰り返し。

そしてまた毎日虚無に襲われる。