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2006.09.04
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カテゴリ:平穏
目が覚めると、母の姿があった。

昼間のお仕事をお休みして、家に居てくれたのである。

これは主治医の



「少しの間だけ娘さんの傍に居てあげて下さい」



との言葉があった為であるが、何だか嬉しかった。

母とは生活のリズムが違うので、

いつもならば目が覚めても1人であるし、

最近は夜、少し会話をするだけになってしまっていた。

なのでこの『見守られる温かさ』が心地良かった。

そして母の身体も休まった事であろうと感じる。

月曜日のお仕事が、一番ハードだからである。

朝方服用したお薬も覿面に効いて、ぐっすり眠れたので

母とお喋りを楽しんでいると、心が和んでいるのを

感じられた。

本当に、本当に嬉しかった。







けれども、私の周りには『虚無』が蔓延っていて

何をするのも怠い。

必死の思いでシャワーを浴びて、身体が

すっきりした所で一息つく。

アイスミルクティーを飲みながら、暫しぼんやりとした。







今日は残暑が厳しかったのであろう。

夕方吹く風も何だか湿り気を含んだ、ぬるいものであった。

しかし空は秋そのもので、綺麗であった。







徐々に陽が暮れるのが早くなり、陽が昇るのは

遅くなっている。確実に秋が近付いている証拠である。

何だか哀愁の念が漂う。しかしその雰囲気は嫌いでない。







道端に、濃い赤のコスモスが咲いているのを見かけた。

思わず携帯カメラで撮った。ほんの2~3輪であったが、

可愛らしいこの花はやがて広い範囲で咲くようになるであろう。

小さい頃、祖父の家の近くには大きな土手があった。

そこは秋になれば正しくコスモス畑となった。

向日葵のような大きく力強い花よりも、

こうして可憐に花開くコスモスの方が私は好きである。

そして秋真っ只中には、金木犀の香りが濃く周辺に漂う。

秋の澄んだ空気と共に深呼吸すると、なんとも心地良い。

だから私は秋や晩秋、寒い冬がすきなのかもしれない。







摂食障害を患ってからの方が、より自然を身近に

感じられるようになった。

それはまるで、自然の力に救いを求めるような、

癒しを求めるような勢いである。

自然の瑣末な変化でさえ嬉しくなるのである。

けれどもこの病は、



辛く・苦しく・哀しく・心細く・虚しいものである。



何かを1口、食べたら最後。過食に繋がり嘔吐するまで止まらない。

空々しくも虚無的な時間を過ごす羽目に陥る。

それが決まりきった時間に、決まりきった回数、

毎日行なわれるので、いい加減本当にうんざりである。







だけど私は、自分の奥底に眠る『可能性』を信じたい。

今はあらゆる病気の症状で、希望さえ見出せない状態であるが

治療を続け、『自分』と言うものを確立させられたらと思う。

その為に、定期的なカウンセラーとの対話、主治医との診察が

必要である。しかし、知らず知らずの内に疲れやストレスが

溜まっていて、先日の様な発熱に繋がるのであろう。

苦しみは溜まりいく。それを自然に流す『アース』が

今の私にとって必要なのであろう。

秋が深まれば、母と共に紅葉でも見に行きたいものである。





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Last updated  2006.09.04 20:58:36
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