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カテゴリ:抑うつ感
夜明けが日に日に遅くなっている。
夜明け前、可燃ごみを捨てに行った時、 とても澄んだ風が吹いた。 まだ夜も明けきらぬ頃、 手ぶらになった私は 大きく空を仰いで胸いっぱい心地良い空気を 吸い込み呼気をゆっくり吐き出した。 荒くれた胸の裡が穏やかになるのを感じた。 12年目・・・。 過食嘔吐を始めてから、そんな月日が経った。 得たものは僅かながらにあるものの、 やはり失ったものの方が多大である。 時間も、友人も、嘔吐してしまった食べ物etc... そして『普通に食事をする観念』・・・。 これは、相当の努力をしないと 自分の中には戻ってこないであろう。 でも今は、目の前にある 『過食嘔吐』と言う症状に振り回されてばかりで 何も手に付かない。 もう、生きていくだけで精一杯である。 只管、日中は拒食で通し 夜になれば過食と嘔吐が待ち受けている。 掃除機に吸い込まれる塵の様に 抗う事も出来ず、その症状に取り込まれる。 唯一気分転換が出来るのは、 スーパーまでの道々をとぼとぼ歩いている時 だけであろう。秋風の香りを存分に慈しみ、 空を眺め、家々に咲く花や道端に咲く健気な花を 見つめる。 この時だけは、視線が自分に戻ってくる事なく 自然へ向けて心を流せる。 『何をしても一人』 と言う状況から抜け出せる。 所が、スーパーに着いた途端、現実に引き戻される。 そして闘いが始まる。1回目には何をどれだけ食べようか、 2回目にはどれを食べたら良いのか・・・。 それだけが頭を占める。 どうやって食べたら嘔吐し易いか・・・。 また、どうやら自分を見つめてみると、 「食べたい」 と言うよりも、 「嘔吐する為に食べる」 と言った方が しっくり来るかも知れない。 もう、途方に暮れてしまう。 自然を身体全体で感じても、 この身体の中の、汚いものが流れ出たとしても 時間が来れば過食と嘔吐をしなければならない。 抑えられないし、止められない。 もう、意志が云々といった問題ではなく、 「そうしないではいられない」 と言う状態なのである。 寛解までは気が遠くなる程長い時間を過ごさねば ならないのかも知れない。 酷く、気が塞ぐ。 毎日同じ繰り返しで、些細な変化さえ見えなくなる。 しかし1年前の自分と今の自分を較べると、 目に見えるほどの変化がある。それが良い方向へのものなのか 悪い方向へのものなのかは見当も付かない。 けれども、同じ繰り返しだと感じる毎日の中で、 変化が生じているという事は、小さな勇気に繋がる。 これ以上頑張る事は出来ない。 しかし、努力は出来る。そしてこれが生きていく励みにも なるであろうと感じている。 例えば少しでも栄養を取る為にスープを摂取する事 等が挙げられる。今の所過食嘔吐に関しては、 何が出来るか分からない。 でも慌てず焦らず、前を見据えて生きたいと感じる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.09.18 20:58:08
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