凍えたココロ

昼夜の寒暖の差が激しい。

昼間、風は涼しいものの

暑さには敵わない。

しかし夕方になるにつれて

涼しさが暑さを凌駕する。

心地良い私の１日の始まりである。







シャワーを浴びて、身も心もさっぱりさせる。

落ち着ける時間であるので、ゆったりと

念入りに髪や身体を綺麗にする。

その後は読書に耽り、疲れたらぼんやりと

ＴＶを眺める。

夕方の時間は、思うより早く過ぎていく。







そして夜、待っているのは

『過食と嘔吐』･･･。

「面倒臭い。そんな事したくない！」と

強く思っていても、雪崩れるように

それをせざるを得ない･･･。

それが病症なのであるから仕方が無いにしても、

余りにもデメリットが大きすぎる。

心身が衰弱していく事が分かる。



本当に疲れた。疲れ切ってしまった。



しかし、自分から逃れる事は出来ない。

目の前で起こる自分の病症を、受け止めねばならない。

うつ病も併発しているので、それは途轍もなく

辛いものであるが、自分の事は自分で受け止めたい。







閑話休題。

私は子どもの頃身を守る為に

自分をコントロールする術を身に付けてしまった。

そしてまた、親からの酷い叱責による

『洗脳』といったコントロールもある。

親からの洗脳は如何にか排除できるが、

『強迫観念』からのコントロール

からは逃れられない。

この『コントロール』こそが

厄介なのである。







出来る事ならば、自然体でありたい。

お腹が空けば丁度良い量の御飯をきちんと食べて、

読書をしたり、身体の為に運動をしたりして、

健康な生活を送りたいと思う。

しかし、摂食障害の強迫観念は余りにも大きく

「食べてはならない。食べたら太る。痩せていなければならない。」

と起きている間中私の頭や身体を

乗っ取っているのである。







勿論、これは辛苦である。

強迫観念にだけは逆らえず、

情に絆される日々を送る。







けれども信じたい。

少しずつ歩いている先には

きっと希望が待ち受けている事を。

辛苦を味わいながらも

長い夜が明ける事を。







そして、心にある寂しさ・心細さ・哀しみと言った

感情を大切に温かくしてやらねばならない。

私自身、凍てついた氷山を抱えているのだから、

温めなければならないであろう。







その『寂しい心・心細い気持ち・哀しみ』は

自分でなければ救う事が出来ない。

しかし、それを促してくれるのは温かい母であり、

主治医やカウンセラーの言葉なのである。

しかし、これから２度過食と嘔吐をすると思うと

心底うんざりする。







でも日頃から感謝の気持ちだけは忘れていない。

母には「ごめんね」と言う言葉よりも

「ありがとう」と言った言葉を多く言えるようになった。

自暴自棄にならないでいられるのも、

私を取り巻く人々が優しく温かく接して下さるからである。

だから、私は心から感謝の気持ちを覚えるし、

これを忘れてはならないと感じているのである。







こうして病気の治療を続けられる事も、

母が私の事を温かく見守っていてくれるからである。

秋の風が心地良いように、過食嘔吐の時間以外は

比較的ゆったりと過ごすことが出来る。

そして感謝の気持ちを忘れない事。

これも重要である。

病気を患っている毎日は、嫌になる程同じ事の繰り返しで

夜明けの光も見えないし、トンネルの出口も見えない

暗い暗い闇の中にある。

けれども、希望だけは失いたくない。

以前は希望も何も持てず、「死んだ方がどんなに楽か！」と

思っていたが、今はどうにか生きて治癒への道を

歩みたいと感じている。

その為に、自分を無理矢理コントロールする事なく、

自然体であり続け、病症も静かに受け止められるように

なりたい。