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カテゴリ:平穏
夕方目覚めた時、既に雨は降っていた。
久し振りに雨に匂いが広がっていて 私は深呼吸をした。 優しくも冷ややかな空気が身体に 広がった。 雨の所為か肌寒く、温かいミルクティが とても美味しく感じられた。 そしてぼんやりとしながら 紫煙を燻らせた。 そして徐にシャワーを浴びた。 私は湯船に浸かると気分が悪くなるので、 春夏秋冬を問わずいつもシャワーで済ませる。 今日は寒かったので、熱めの温度で 全身を温めた。 いつもより時間をかけて髪を洗い、 身体を綺麗にして、その後もぼんやりと 熱いシャワーを浴び続けた。 この時間が唯一、とても落ち着ける時間なのである。 所が、過食を始める時間になると、 忽ち私は落ち着きを失う事になる。 「食べたい・・・けれど食べたくない」 「沢山食べなければならない」 「そして嘔吐すると共に自分の中の嫌な部分も 出さなければならない」 これらの『強迫観念』が思考を 埋め尽くす。だから食べる事以外、 何も考えられなくなってしまう。 摂食障害の思考から逃れられている時は、 比較的落ち着いて過ごしている。 読書をしたり、録り溜めていたビデオを見たり 出来ている。 今は、『ナー●のお仕事2』を主に観ている。 私は小学生の時から観○ありさが大好きなので、 凄く幸せな気持ちになれるのである。 このドラマはパート4まであるが、 私はパート2とパート3が好きである。 それを観ながら、ゆっくりビールを飲み ドラマの世界に没頭している時が 今は一番楽しい時かも知れない。 過食と嘔吐の事なんて考えないで いられるのである。 閑話休題。 夜、買い物に出かけるときも結構 雨が降り注いでいた。 その柔らかくも冷たい雨粒が 渦巻く風と共に顔に当たる。 冬の雨は冷たいが、優しさも含んでいる。 久し振りの雨の匂いが私を包み、 寒さが身に沁みた。 そして吸い込まれるようにスーパーへ 入って行き、虚しい買い物を済ませた。 過食と嘔吐は、心身共に何かが磨り減っていく。 そこにあるのは『虚無』だけで、 磨り減った分、私のこころに余裕が無くなる。 とても疲弊し、何もする気にならない。 全身全霊をかけて過食して嘔吐をする為に、 全て片付けまで終わった後は、 ただ身体を横たえる余力しか残っていない。 しかし精神は鋭敏になったままなので、 1時間位のうたた寝さえも出来なくなってきている。 これはきっと周期に因る気分の波の影響かも知れない。 けれども、そんな状態にあれども これから『発見的体験』を 大切にしていきたい。 そして孤独感のみを自分の中で増大させて いく事なく、『共に・・・』と言う感覚を 身体で受け止めつつ、過ごしたいものである。 「疲れてしまった」 「もう何もかも放棄して消えてしまいたい」 と言う感情は消えない。いつも心の奥底にある。 でも、それよりこれから少しずつ積み上げていく 『発見的体験』や『一寸した変化』を もっと大切に大事にしたいものである。 それは決して難しい事ではないが、 アンテナは張り巡らせているべきであろう。 自分の奥底にある殻に閉じ篭ってしまっては、 何も得られないであろうから・・・。 そして無理矢理前に進むという事を止めたい。 時には立ち止まっても良い。後退してもいい。 そうして行きつ戻りつしながら、 そこでの経験を積み重ねていって、 自分の糧にしたいと感じる。 その為には自分の心地良い事を見つけて、 ゆっくりとゆったりと過ごしていきたいものである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.18 20:52:51
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