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2006.12.31
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カテゴリ:想い
朝陽のあたる自分の部屋で、

眠りに就いた。

あれだけ煩悶と悩んでいた

祖父の家に泊まると言う事は、

中止になった。

母が祖父の家から出勤するのが大変な事と、

私の事を慮ってくれての決定であった。

だから、母は飲酒を我慢して

祖父母達と夕飯の食卓を囲み、

餅つきが終わったら帰ると言う事になった。

正直、ホッとした。

まだまだ私には違う環境で一晩過ごすという

行為に自信がないのである。

そんな自分が哀しいと想った。

病気の事なんか忘れて、祖父母と過ごす為に

1泊くらい出来るであろうに、

それが出来ない自分が悔しかった。

しかし、祖父母との時間は

満ち足りたものであった。







20時半頃に祖父の家に着き、

夕飯をまだ食べていなかった祖父母と共に

食卓を囲んだ。

いつも1人で食事と言うか過食をしているので、

その温かさが嬉しかった。

メニューは素朴なもので、

大根と蒟蒻とあげの煮物、昆布の佃煮、

筋子、魚の卵の煮付けであった。

私は大根の煮物が大好物なので、

一切れだけ頂いて後は本でも読みながら

ゆっくりしようと想っていたが、

その大根が余りにも美味しくて、

止まらなくなり、食べ過ぎ程度の過食

なってしまった。

でもその『一緒に食べる』時間を大切に出来た。

特に祖父は、「あ~この大根、美味い!」

ご飯をお代わりしていたし、

小食の母も、此処にきたらいつも食欲が出るらしく、

同じくお代わりをしていた。

みんなの顔がにこにことしていて、

温かいなあと感じ、こころが

ほくほくした。

過食嘔吐となってしまったのは

哀しかったが、普段より軽いものだったので

気持ちを切り替えて、餅つき機で御餅を

作った後、丸めるのを手伝った。







御餅が出来るまでは時間がかかる。

まず蒸して、その後つくという工程になる。

普段なら夕飯が終わったら祖父は

すぐ自室に戻って眠ってしまうのであるが、

4人の時間が楽しかったからか、

一緒にTVを観て笑ったり、談笑したりして

贅沢な時間を過ごせた。

祖父曰く、

「話を聞いて右向いて左向いたら全部忘れてしまう。

 でも気楽でええよ。」


といつも言っている。哀愁が漂い、哀しくなって

しまうが、本人は至って元気であり、

例え同じ事を繰り返し喋ったり話したりする事に

なっても、私は全く苦にならないので、

祖父との時間を共有する喜びもある。







御餅が出来上がる頃には遅い時間になったので、

祖父は自室に戻って眠った。

そして祖母と母と私の3人で

ふうわりと御餅の香りが漂う部屋で

楽しく丸めていった。

他愛の無い話をしながら、美味しくなぁれと

願いながら丸めていく。

もう何年も年末はこの作業をしているので、

結構慣れてきていて、綺麗に丸められた。

この作業をしないと、何だか年末を迎えた

気がしない。







母はお腹が一杯であり、仕事疲れもあって

3回に分けて行われる餅つきの3回目には

熟睡していた。

なので3回目は祖母と2人で工程をこなした。

私が餅つき機のお釜を取り出す時、

何故か指先を切ってしまった。

それは丸めた御餅が赤いのを見るまで

気付かなかったが、両手の薬指から血が

流れていて、中指も薄く切れていた。

なので絆創膏を貼って作業を続けた。

「どこで切れたのかなあ。ま、いっか。」

と言いながら、祖母と2人にこにこ顔で

丸い御餅を作っていった。







全工程が終わってから、祖母がコーヒーを

淹れてくれた。美味しい豆から淹れているので、

一口だけブラックで味わってから、

胃が悪い私はミルクだけを入れて飲んだ。

お菓子が沢山目の前に出されたが、

全く『過食したい』なんて想わないで、

シナモンの香りがする高級なクッキーを

一口だけ頂いた。よくよく噛んでゆっくり

食べると、満足感があり

それに美味しかったので、そこでおしまいに

する事が出来た。







母は、夜中の1時過ぎまで眠っていた。

疲れているだろうから起こすのが忍びなかった。

祖母と一緒に夕飯時に使った食器を洗ったのであるが、

そんな時間も温かく楽しく感じられた。

私は換気扇の下で煙草を吸いながら、

ゆったりと時間が流れていくのを感じた。

そこで、『私はいつも焦って時間を過ごしているんだなぁ』

と再認識した。

祖母や祖父から学ぶものは沢山ある。

そしてまだまだ残っている。

祖父母はいつも私の事を心配してくれていて、

実にありがたいと想っている。

このまま眠れたら泊まれるんだろうなと

想ったが、



「過食の衝動が出てきたらどうしよう」



と言う不安を掻き消す事はできず、

夜中の2時に帰る支度を始めた。

家に着いたのは3時前で、

少しヒーターで温まった後、

カクテルを創り、味わいながら

放送されていた映画を観た。

そして朝、過食嘔吐をして

やっと眠りに就いたのは9時であった。







『こころとこころの繋がり』・・・

それを実感できた1日であった。

過食嘔吐に走ってしまったのは哀しい事であったが、

その他の時間は温かい気持ちで居られた。

祖父母と母には感謝の念を幾ら伝えようとも伝えきれない程である。

また来年も祖父母が元気で、餅つきができますようにと

こころから願っている。

次に会うのは1月2日である。

この日は、妹と姪も一緒に行く。

祖父母にとって曾孫が来ると言う事は

きっと嬉しいであろうと感じる。

昨日より更に賑やかになるであろうその日を

私は心待ちにしている。









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来年も、こころを大切にして過ごしたい。

病気が治るなんて甘い夢など見ないが、

こうして此処にいられる事は、

皆様のお陰である。

ブログを訪問して下さった方、

そして温かいコメントを

残して下さった方、

本当にありがとうございました。

今年は起伏があれども、自傷もせず

逸脱行為にも走らず過ごす事が出来たのは、

母を始め皆様のお陰です。

本当に、本当に、感謝しています。

では、良いお年を。


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Last updated  2006.12.31 20:57:29
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