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2007.07.20
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暑さを感じ、

目が覚めた。

まだ寝惚けていたのか、

母が仕事へ行く

支度をしている

姿を見て

「何処に行くの?」

と間抜けな質問を

してしまった。

朝の忙しい時に

母も苛立ったであろう。

反省している。







起きたのは

8時だった。

いつもより2時間早い。

というのも

夜中に過食と嘔吐

しないで眠れたからである。

ぐっすりと眠っていた。

しかし、早く起きても

いつもの如く何もする事は

ないので

徐に食べ始めてしまった。







後悔した。

時間潰しの為の

過食と嘔吐なんて

する暇があったら

もっと有益に時間を

使えた筈である。

ぐったり疲れてしまって

結局12時まで眠っていた。







天は悪戯に

雨を降らせたり陽を差したりと

不思議な天気であった。

曇ってしまうと

部屋が薄暗くなる。

部屋が薄暗いと

気分も沈んでいく。

やりきれない想いが

心身を支配して

不意に哀しくなった。







母は病み上がりなのに

もういつものように

お仕事をしている。

夕方、次の仕事まで

時間が空いたので

家に戻ってきた。

その時体調を尋ねると

「んー、足が怠いかな。少し、しんどい。」

と言っていた。

「ちょっと寝ようかな。」

と言って母は

1時間ほど眠っていた。

途中、いびきも聞こえてきたので

余程疲れているのであろうと

胸が締め付けられた。

私が働いていれば、

母はこんなに仕事を

詰め込む事はない。

体調を崩すまで頑張って

働いている母を見ていると

申し訳ない気持ちになる。

そしてまた、

「病を癒さねばならない。」

と考える。

病が癒されたからといって

直ぐに社会復帰するのは

難しいかも知れないが、

少しでも母の役に立ちたいと

想っている。

けれども、この想いは何だか

上辺だけのような気がする。

「役に立ちたい」

という事は、

「役割に生きる」

という事に繋がる。

これでは“関係”が

乾いたものとなってしまうであろう。








電話診察にて、

この“役割”について

考えた。

主治医は分かり易い例えで

お話して下さった。

それは、

“医者と患者の関係”

である。

医者は、体調が悪い患者に対して

正確な診断を下す役割がある。

そこに“こころ”や“感情”を

持ち込むと、診断が難しくなるらしい。

母は、嘔吐下痢症を患った。

それを医者が的確に診断して

症状に合うお薬を処方する。

患者は医者のアドバイスに従い

養生してお薬を服用する。

これが医者と患者の役割である。

しかし、その“役割”を

家族の関係に持ち込むと

潤いがなくなる。

私の場合、子どもの頃から

役割の中で生きてきたので

病気で弱った母をみて

「役に立てない自分が哀しい。」

と感じた。

それよりも大切なのは、

“ハプニングに動揺する気持ち”

を共有する事なのかも知れない。

「動揺する姿こそ人間らしい。」

と主治医は仰った。

動揺するのは苦しい事でもあるが

その“揺れ”が

人との絆を生み

気持ちを共有する

きっかけとなるのだと想う。







大阪行きまで、

1週間を切った。

私は地理に疎いので

あたふたしていて

落ち着かない。

その事も主治医に伝えた。

主治医は、大阪に地理に明るい。

すると、伊丹空港から

舞台がある場所までの

アクセス方法を調べて下さった。

○○行きのバスに乗り、○駅で降りて

地下鉄の○○線に乗って

○駅で降りる。そこから

5~600m位歩くという

細密な所まで

教えて下さったのである。

私1人の力では

そこまで調べ上げるまでに

気力が萎えてしまっていたであろう。

本当にありがたく

嬉しい事であった。







最近、過食と嘔吐

回数が増えている。

何故だか分からなかった。

しかし主治医は見抜いていた。

どうやら

“母の余裕がなくなってきている事に

 比例して回数も増えている”


みたいである。

此処の所、母は多忙な仕事の上に

私の病、そして胃痛を訴えている事に

こころを痛めていた。

また、私のプリンタ代や弟の病院代

妹が日払いのバイトを休んだ日の

生活費と出費もかさんだ。

その上、慣れない土地へ

私と共に旅行する予定もある。

きっと、母のこころも

悲鳴を上げていたのだろう。

だから多分、“嘔吐下痢症”を

患ったのだと想う。

もう少し、私が努力をして

母が過ごし易い

雰囲気を家の中に

もたらしたいと切に願った。







朝から厭な気分で過ごしたが、

電話診察が終わった頃、

随分落ち着いた。

今、どうして過食と嘔吐の回数が

増えているかという事が

分かっただけでも

すっきりした気分である。

実は、電話診察を始める

タイムリミットは18時であった。

しかし、私は体調が優れず

横たわっていた為に

18時を過ぎに電話を掛けてしまった。

けれども主治医は

温かく対応して下さった。

様々な不安を抱えていたので

とても安心した。

毎日、沢山の辛い事が

襲ってきて

正直こころが

持たないのではないかと

弱気になる。

“平穏”という状態を渇望している。

でも、今こうして体験している事も

未来へと繋がっていくであろう。

こころを豊かにする

経験となるかも知れない。

自分を責め過ぎたり

ナルシシズムに浸ったり

しているばかりでは

前に進めないであろう。

まずは自分のペースを

掴みたいものである。





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Last updated  2007.07.20 21:37:46
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