凍えたココロ

就寝前、

お薬を確認したら、

以前の処方だという事に

気付いた。







主治医からの

メモを読み返したら、

確かにそこには

「元の処方に戻してそこから再出発を

　考えた方が良いかと思う。」

と書かれていた。

つまり、抗うつ剤の処方は

ＳＮＲＩを中止して、

前のアナフラ・トリプタ

という組み合わせの

三環系抗うつ剤に

戻っていたのである。

私としては、３年強

服用し続けていたものなので

どうなるだろうと想いながら

服用して、眠った。







その際、長い時間

眠り続けたかったので

ベゲタミンＡも服用した。

これは糖衣錠であり

大き目の錠剤なので

自棄を起こした私は

噛み砕いて飲み込んだ。

結構、苦かった。

ルール違反の服用方法であるが

寝つきが悪いと

また過食衝動に

流されるのではないかと感じて

怖かったのである。

目論見通り、強烈な眠気に

引き込まれて

私は眠りの世界に浸った。







起床時間はいつもより

早かったけれど

何時に眠ったかは

覚えていないので

結構眠れたように想う。

だからなのか、

不思議な爽快感があった。

ぐっすり眠れた後の、

気持ち良さを久々に感じた。

そして、とある事に気付いた。

今までずっと目覚めたら直ぐに

襲ってきた、知覚過敏の症状が

弱くなっているのである。

視線を動かす度に

頭に電流様の衝撃が

走っていた頃の苦痛が

殆ど無かった。

吃驚して、首を振ってみたり

眼球をぐるぐる動かしたりしたが、

少し頭に鈍い痛みがあるものの

あの不快感が襲ってこないのである。

「視線を動かしても、高い音を聞いても、

　普通に歩いても、頭が痛くないなんて

　そんな普通な事がこんなにも素晴らしいのか！」

と吃驚しながら感動してしまった。

２週間近く、

私を苦しめた症状の

原因は、まだ分からない。

“お薬の処方が元に戻った”

という事もあるかも知れない。

だが、今日は夕方から

月経も始まったのである。

ＰＭＳの症状で、

毎月抑うつ状態が

酷くなる期間があり、

自分を追い詰めすぎると

知覚過敏の症状が

ほんの少し出る事は、

以前にもあった。

だが、今回のように

生きるのさえ厭になるほど

酷いものではなかった。

「処方が元に戻ったからか。

　それとも月経が始まったからか。」

判断がつかない。

これは、金曜日の電話診察時に

伝えようと想っている。







これから腹痛・腰痛の酷い

日々が何日が続く為、

神経障害の症状の上に

その痛みに耐えられるのか

自信は無かった。

月経が始まる兆候が

あったので、

それを一番懸念していた。

だが、今日目覚めた時の

爽快感と“普通”の感覚には

本当に驚いた。

あんなに苦しんだ日々は

何だったのだろうと

呆気ないくらい

スッと症状は和らいだのであるから。

原因は分かっていないので

何とも言えないし、

またいつ神経障害の症状が

出現するかも分からないので

心底安心する事は出来ないが

今、症状が落ち着いているのは

本当に嬉しい。

過食と嘔吐による

倦怠感や貧血症状は

ずっと続いているが、

スーパーへの道々

大きな歩幅で歩いても

少し走っても

全然頭に響かない事が

物凄く感動的であった。

母に、これらの事を話したら

まるで自分の事のように

喜び、笑顔を見せてくれたので

それもまた、嬉しく想った。

生きていく勇気が、少し湧いた。







だが、良い事ばかりでないのは

残念である。

２～３日は腹痛・腰痛を

抑える為にロキソニンを

服用せねばならない。

私は胃が弱いので

消炎鎮痛剤により荒れて

胃痛をも引き起こす。

また、左耳ピアスホールの

２番目が髪を洗っている時

ピアスに絡まって傷付き

化膿してしまった。

抗生物質の軟膏はあるので

それを塗布すれば

やがて治ると想うけれど

厭な事は本当に重なるものだと

感じている。

だが、１つでも

苦しい症状が軽くなったのであるから

これはとても幸せだと感じる。

人間の身体は

本当に未知数であると

考えた。







数日は、月経痛などの

痛みはあるけれど

その期間は不思議なほど

沢山眠れるので

それには安心している。

多分、ＰＭＳの症状によって

極端に眠れない日々が

続いていたから

その分を身体が取り戻そうと

するのかも知れない。

お薬もよく効く期間でもある。

もしも、今までの知覚過敏といった

症状が、ＰＭＳからくる

ものであったら、

私は毎月悩まねばならない。

一方、三環系抗うつ剤を

中断した際の離脱症状による

ものであったなら、

再出発して少しずつ

主治医にお薬の処方を

新たに組み立てて頂くしかない。

まだまだ予断を許さない

状況なので安静にしていたい。







十五夜の昨日、

美しい月を観る事は

出来なかった。

今日もまた、

月は雲に隠れ、

雲々の隙間から少しだけ

光を覗かせていた。

空を見上げながら歩いたのは

本当に久し振りであった。

苦痛や苦悶が薄れると

少し、こころに余裕が生まれた。

穏やかな気持ちで過ごし

母と冗談を言い合って

２人で大笑いしたのも

本当に久し振りであった。

笑顔は、笑顔を呼び

また喜びや幸せな気持ちも

呼び寄せるような気がした。

身体が落ち着くまでは、

無理をしないで

安静を心掛けて

やっていきたいものである。