凍えたココロ

神無月の始まり。

それでも私は

日本に存在する

八百万の神に

何かを祈らないでは

いられないであろう･･･。







朝方の涼しい風を

感じながら

眠りの世界へと

誘われた。

現実という過酷な世界から

解放される瞬間は

１日のうちで１番

幸せなものだと感じる。







起きるという事が厭なので

眠りに就く時間を

先延ばしにしている。

その為だけに

過食と嘔吐をしてしまう。

本当は眠くて堪らなかったのに

今眠ったら、早い時間に起きて

また過食や嘔吐に

走ってしまうのではないかと

先読みして困惑するのである。

その時はその時と、

割り切ったり臨機応変な対応を

取ったりすれば良いが

それができなくて悔しい。







此処の所、起きて直ぐ

「食べたい、何か食べたい･･･。」

という衝動は襲ってこない。

ぐっすり眠って充分な

睡眠が取れていると

こころも穏やかであり

「ゆったりのんびり、過ごそう。」

と想えるのである。

だが、

「もう何もかも面倒臭い。」

という想いの方が

強いのかも知れない。







以前は、目覚めたら直ぐに

カクテルを作り

氷をアイスピックで砕き

それを食べながら

ちびりちびり

カクテルを飲んでいた。

そしてインターネットで

様々なブログを読んでいた。

いつしか日中にアルコールを

摂取しないようになり

カフェオレもカフェインの影響が

大きいからと麦茶オレになった。

強いお薬の服用を始めてからは、

１５時くらいまで眠っている。

起きても穏やかな気持ちが

続いているから

食べたいという気持ちも薄らいでいる。

それでも、昨日までは

シャワーを浴びる時間まで

何もする事がなくて

無理矢理過食と嘔吐を

行なっていた。

漸く今日、それに流される事なく

ぼんやりと好きなドラマの

再放送を観たり氷を食べたりして

ゆったり過ごせた。

本当は、強いお薬を服用すると

顔が浮腫むので避けたいと想っている。

けれども、この安穏な状態は

今の私にとって重要で大切なものである。







気持ちが安定していると、

些細な事で苛立ったり

不機嫌になったりしない。

他人の視線も怖くない。

ゆったりとした時間が流れる。

浮腫んでしまう事だけを除けば

お薬に助けられているのである。

特に、“睡眠”を

満足に得られている事は

心身を休める為に大きな成果を

あげていると感じる。







水分だけで日中を過ごすと、

低血糖を起こし

具合が悪くなる。

胃の中が空っぽの状態でいると

胃痛が酷くなる。

だからミルクティーを飲んだり

辛うじて許せる殆ど具のない

インスタントのお味噌汁を

飲んだりしている。

顔の浮腫み対策としては、

シャワーを浴びて洗顔する際

リンパマッサージをしている。

そのマッサージだけでも

随分顔の輪郭が変わってくる。

お薬の効果と副作用の狭間で

右往左往しているが

生きていく為に、今は

お薬の力を借りるべきだと感じている。







余りにも気持ちが平坦過ぎて

感情さえ失ったような、

表情も死んでしまっているような

そんな感じで辛かった。

けれども、ニュースで

好きなアーティストの

最愛の人が若くして亡くなったという

報道を耳にした時、

涙がはらりと流れた。

ラブソングと綴ってしまうと

凄く安っぽくなってしまうが、

そのアーティストの作り出す曲は

“愛”というものが

胸に深く刻まれるものばかりであった。

この前、妹達とカラオケに行った時

彼らの歌も唄った。

最愛の人を喪う哀しみは、

妹の大親友の命が喪われた時の

哀しみを呼び

命について深く考えさせられた。

まだ、私の感情は

生きていると分かった。







秋という季節を感じながら

夜道を歩いていると、

芳しい香りが風に乗って

私をすり抜けていった。

立ち止まり、大きく深呼吸をして

私は次の一歩を踏み出した。

走ってばかりでは、疲れてしまう。

病の事、病の症状･･･それだけを考えていたら

息が詰まってしまう。

その前に、如何に生きていくかを

考える必要があるのだろう。

生きていく事は、治していくという事である。

まだ、私は積極的に

生きていきたいとは想えない。

それでも１日１日を精一杯の力で

やり過ごしている。

それは、母の温もり、優しさがあるから

出来ている事であり、

決して自分１人の力で

生きている訳ではない。

だから感謝の気持ちだけは

決して忘れてはならないと

自分に言い聞かせて

これからの事を

考えていきたい。