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凍えたココロ

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2007.12.14
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カテゴリ:無力感
スーパーへ向かう途中、

ふと空を見上げた。

雲が多い夜空だった。

でも、月明かりがほんのり

雲の合間から零れていた。

寒くて背筋が曲がっていたけれど、

何だか嬉しくなって

スッと背筋は伸び、

大きな歩幅で歩き始めた。







夜中、またもやPCトラブルを

起こしてしまった。

セキュリティソフトを

インストールして再起動したら、

突然電源が落ちてまた再起動するという

状態が延々と続いたのである。

一瞬、パニックになった。

こういう場合、どうしたら良いのか

頭から抜け落ちていて、

誰かに助けを求めようにも

夜中だったので出来なかった。

ひとまず深呼吸をして

PCの設定などが書いてある

説明書を読んでみたら、

セーフモードで起動して

トラブルの元であるセキュリティソフトを

削除すればいい事が分かった。

成功するかどうか、緊張感で

胸が張り裂けそうだった。

でも、正しい手順を踏んで

削除して普通に起動したら、

【深刻なトラブルから回復しました】

という“お知らせ”が出た。

そこで漸く胸を撫で下ろし、

安堵の溜め息が漏れた。

近い内に、有料でも安全な

セキュリティソフトを購入しようと

強く決意した。

今稼動しているセキュリティソフトは

期限付きであるから、

来週、母が休みの日に頑張って外出して

店員さんのアドバイスを聞きながら

決めるつもりである。







PCに関しては、一度

再セットアップしなければならないほど

大変な状態に陥ったので、

その時ほど酷いパニックを起こさずに

済んだのは良かった。

若干、あたふたしてしまったが、

どこか冷静な自分がいて、

不思議な感じがした。

もう少し大切にPCを扱い、

勉強したいものである。







電話診察の受診は出来なかった。

寒くて起きられなかった事と、

眠くて堪らなかったというのが

理由である。

本当は、弟の事があったり、

他にもこころが揺れる事があったりしたので

診察を受けた方が良かったのであるが、

身体が重くて動かなかった。

そして、“金曜日の電話診察受診”に対して

まだ、トラウマが完全に癒されていない

事も否めない。

あの日、私が電話をしたばかりに

最後の患者さんは、私との電話の途中である

主治医の目の前で

手首を切った。

処置に走る音しか聞こえなかったので

余計、鮮明に映像として想像が膨らみ

まだ“怖い”という想いがある。

だが、いつまでも怖がっていてばかりでは

硬い殻を破るのは難しいであろう。

トラウマに突っ込むというのもまた

荒治療となるけれど、

有効かも知れないと考える。







人は、ただ成長すればいいというものではない。

こころの病・・・特に、

摂食障害の場合は、

【目標を定め、病気を治して成長しなければならない】

という一種の固定観念がある事を否めない。

だが、摂食障害は病気である。

病人が、何故身体やこころに鞭を打ってまで

そんなに躍起になって

目標を達成したり成長したりという事に

拘らなければならないのであろうか。

それよりも大切なのは、

【静養して、こころを大事にする事】

だと私は考えるし、

主治医もそう仰っている。

拒食や過食、嘔吐は、

摂食障害という病気を患っているのだから

出てしまう症状であるし、

それを無理矢理我慢したり止めたりしたら

後々爆発してしまうであろう。

何処で折り合いをつけられるか。

そういったことも大切だと考える。

勿論、症状だからといって

病気に甘えてばかりで

それに流されていたら、自分というものが

薄くなり、主体性がなくなってしまう。

だから、こころを豊かにする事が大切なのである。

こころの幅を広げる事。

こころや精神は、どんなに太っても困る事はない。

様々な価値観を汲み取り、

柔軟な考え方で物事に応じ、

決して狭隘にならない事。

それだけでも、生きていく事を考える上で

随分、余裕やゆとりが生まれるのではないであろうか。







固定観念に縛られて、狭い価値観だけで

思いを巡らすだけでは、

こころの乏しい人間になるであろう。

そうなると、あらゆるこころの病気に対しても

一元的にしか症状を捉えられず、

蟻地獄から這い上がれなくなる。

例えば、過食と嘔吐というワンセットの

症状だけに固執してしまって、

それが止められない自分を

いつもいつも責め抜いて苦しい状態から

脱出できない状態がそれである。

もう少し、視点を変えてみたら

新しく見えてくるものがある筈だと想う。







新たな観点、新鮮な気持ち。

今という時間は、約8秒で過去になり

想い出となる。

余りにも呆気ない“今”という時間を

如何に過ごすか、豊かなものとなるか。

それは、自分自身の力によるものである。

人間には、未知の力が潜んでいると想う。

悩み苦しみ、奈落の底でうずくまっていても、

ふとしたきっかけで、潜在能力が発揮されて

ふわりと浮き上がり、苦しみが薄れる事は

無きにしも非ずである。

だから、諦めてしまってはいけないと想う。

いつか、何か手掛かりや足掛かりになる

切っ掛けが見つかり、

“病気が治る”チャンスを

掴める時が来るかも知れないからである。

「病気を“治す”」と言ってしまうと、

病気を患っていて辛酸を嘗めている状態の人に

余計な負担をかけてしまう事がある。

「病気が“治る”」という表現であれば、

今まで私が記してきたように

様々なプロセスを経て、その間に

こころが広がり豊かになり

やがて自然に治るという柔らかさがある。







「治す」という言葉は、「治せ!」と

言外に匂わせている感じを否めない。

自分自身でさえも、そう考えてしまう。

そんなに焦っても、無理矢理

治す為に暴走しても、

目標という言葉が先立ってしまい、

それが達成されなかった時

酷く傷付くのは病気を患っている

本人自身なのである。

摂食障害という病気も

他のこころの病気も、また脳の病気も

身近にいる人に

迷惑をかけているという事は、

十二分に承知している。

だが、健常者でも周囲の人々に

迷惑を全くかけていない人は、いないと考える。


ちょっとした一言が、人を不快にさせる事。

これも迷惑の内に入る。

自分勝手で傲慢な行動をとる人が

多くなったこの世の中、

寧ろ病気を患っている人の方が

迷惑を被っている場合もある。

例えば、身障者用の駐車スペースを

健常者が使用したり、

電車内などでパニック障害の方が

気分が悪くなって苦しそうにしていても

席を譲るでもなく無視をしたりする事が

挙げられる。

社会的弱者が、徹底的に非難され、

健常者の自分は誰にも迷惑を

かけていないという誤った考えが

広まり、弱者を邪魔者とする事。


これが当たり前となってきている

そんな世の中を哀しく想う。

勿論、そんな酷い人ばかりではないのは

承知している。

私も、他人の優しさに何度助けられたか

数え切れない。

謙虚である事。

感謝の気持ちを忘れない事。


これらを大切にして生きていきたい。







夜中に起こったPCトラブルは、正直参った。

でも、以前の私であれば絶望感を覚え、

自傷したりODをしたりしていたかも知れない。

けれども、どこか冷静であった私は、

解決策を見つけ、元に戻す事ができた。

PCに疎いのは本当に損であると感じた。

ただ、それでもより元気になったのは、

今朝テレビ朝日系のニュースを観ていたら

『吉原炎上』のCMが流れた事である。

12月29日に、観月ありささん主演で

このドラマが放送される。

CMの一場面で、彼女が河原で

寒々しい川に向かって

大声をあげて泣き叫んでいる姿が印象的であった。

舞台を経験した事によって、

演技の幅が広がった事を強く感じた。

1月からは彼女の社会派ドラマ

『斉藤さん』も始まる。

最近TVでみかけなかったミムラさんも

出演するようで楽しみである。

病気によって辛くて苦しい事も

多いし、そればかりだと想うけれど、

小さな楽しみは其処彼処に存在する。

私は、それらを見つけられるよう

こころを磨きたいものである。





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Last updated  2007.12.14 22:46:22
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