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凍えたココロ

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2007.12.23
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カテゴリ:想い

眠くて眠くて、

でもその余りにも強い眠気を

逃してしまうと、

逆に眠れなくなるから不思議だ。







金曜日、私は何年振りかという位に

ネットに繋ぐどころか

PCの電源さえ入れなかった。

時間を持て余すかと想ったけれど、

身体が不調を叫ぶので

静かに横たわっていたら

何となく自然に過ごせた。

少しばかり、違和感はあったけれど、

偶にはPCの画面から離れる日が

あっても良いのかも知れない。

実際、主治医の助言が無ければ

私は熱があろうとも、お腹が痛かろうとも、

キーボードを叩きブログを綴っていたであろう。

実際、身体が怠い時にも

お休みしたことはなかったし、

その日の夢にまで出てきたのであるから。







母の調子が悪いと私の調子も悪くなり

母の機嫌が悪いと、私はどんどん沈んでいく。


家は狭いから、

たとえキッチンと私の部屋という

距離でも、普通の声量で充分会話できる。

だが、母は風邪を引いていて

口先でぼそぼそと喋るので聞き取り辛く、

私はすぐ聞き返す。

すると母は、苛立った声で

自棄を起こしたように同じ言葉を

繰り返すのである。

偶に、それすら聞き取れない事もある。

また私は、聞き返す。

そして母は

「もういい!」

と黙り込む。それまで他愛ない会話をしていたのに

急に空気は一変して険悪なものとなる。

すると私は、何処でどう思考回路が

繋がるのか分からないが

死にたくなる。

母に厭な想いをさせた事や

苛々させてしまった事を想うと、

もう私なんていらないと考える。

「迷惑をかけているだけじゃないか、やっぱり」と。


一度、死にたいと想ったら止まらなくて、

煩悶と悩み続け、

やがて胃が痛くなる。

それはもう、言葉では言い表せない位痛くて

キリキリ締め付けられる感じで

脂汗が流れ、暫く動けなくなる。

「でも、死んじゃ駄目なんだ。母さんと約束したから。」

という言葉だけを自分に言い聞かせ

そうやって己を宥める。

だが、そうしても突発的に

そうした“死”への想いが

溢れて止まらなくなる事があるので困る。

自分の、脳の中で起こっているのだから、

自分でどうにかするしか術はないから

その想いを消そうとする。

でも掻き消そうと暴れた為に分裂した

“死”の断片は、増殖していき、

また胃痛が走るといった繰り返しである。

キリがないと途方に暮れる。







お薬が増量されてから、四六時中眠い。

主な副作用に“眠気”とあるので

仕方ないであろう。

“体重増加”はなく、寧ろ

“体重減少”とある事にホッとしている

自分がいる事は否めない。

変に目が冴えていて

テンションが上がってしまうよりは良い。

頭がぼんやりとして

希死念慮の残滓がある中、

スーパーへ行く為玄関から外に出たら

雨が上がっていた。

地面は水溜りが沢山出来ていて

外灯の明かりをゆらゆらと映していた。

少し、こころが和んだ。

昨日ほど寒くなくて、背筋を伸ばして

歩いていたら

少しずつ気持ちもしゃきっとしてきて

仄暗い想いも鳴りを潜めた。

スーパーに着いて、お惣菜コーナーを見たら

苦笑が漏れてしまった。

もう、クリスマス仕様のオードブルが

売られていたのである。

そして鶏肉料理ばかり並んでいた。

まだ胃腸の具合が本調子ではないから

油物を見ると嘔気を催すので

少しだけ辟易してしまったが、

背に腹は変えられない。

半額シールが貼られた

鶏もも肉の照り焼きや、鳥モツの甘辛煮、

おなますをカゴの中に入れた。

このスーパーには、2つの総菜屋が

入っているのであるが、

もう1つの方が、オードブルを売っていた。

でもかなり売れ残っていた。

多分、今日はまだ

クリスマスイヴイヴだからかも知れない。

それでも、色んなおかずが入っているので

半額になっているその商品を

カゴに入れていく人はかなりいた。

値段を見たら1500円と3000円のものが

あったが、どちらも半額だとしても高いので

私には手も足も出ないものなので諦めた。







熱もすっかり下がり、お腹の調子はそこそこで

後は怠さだけが残っている。


体調が悪いと、やはりこころの具合も

余り良くなくて、沈みがちになる。

だから多分、母の言葉が1つ1つ気になって

仕方が無いのであろう。

今日、私は何度も母に

「ごめんね。」

と謝っていたみたいである。母に、

「そんなに“ごめんね、ごめんね”って謝らんでも良いんよ。」

と言われるまで気付かなかった。

少しずつ、

「ごめんね。」

から

「ありがとう。」

へと言い換える努力はしていた。

“ありがとう”の方が、言う方も言われた方も

きっと心地好いと考えるし、

主治医からもそれを勧められていた。

でも、こころが弱っていたら、

もう自分が生きていること自体、申し訳ない気がして

つい口を出るのは謝る言葉なのである。

こころは、常に揺れているものである。

良い方向へ振られていて、調子が良いと想っていても

揺り戻しがあり、調子が悪い状態になる事もある。

スムースに歩けていても、一旦躓くと

途端に上手く歩けなくなる。

生きていくってそんなものなのかも知れない。


だから、「良い調子だな。」と想って

張り切ってはいけない。調子に乗ってはいけない。

必ず揺り戻しはあるのだから。

それを考慮に入れて、テンションを上げ過ぎず

また調子が悪くなった時に

どうするべきか、如何に過ごせば

沈みすぎないで済むかを実体験を元に

学習していかねばならないのであろう。







この頃、無性に甘いものが恋しい。

摂食障害の話であるが、私は過食の際

甘いものは殆ど食べない。

カロリーの低いものから食べ始め、

やがてお腹を膨らせる食べ物を

詰め込む状態になる。

だが、その過食と嘔吐を終えた後、

食器を洗い、全ての片付けを終えたら

兎に角甘いものが欲しくて仕方ないのである。

大体そんな時は、ペプシネックスを飲む。

過食などをしたくない時は、

煙草を吸いながら、ホットミルクティを

ゆっくりと飲む。

ただの低血糖症状なのかも知れないが、

甘いものを欲している自分に黄色信号が

点滅しているのを感じる。


摂食障害の一般論というか、俗説では

“甘い食べ物=母の愛”

とされている。それを沢山欲するという事は、

母の愛を欲していると何かの本に書いてあった。

余り信じてはいない。

信じてはいないが、最近の母は自分の事で

精一杯である。

ミネストローネを作ってもらう事は

無くなった。

母は先週の火曜日、体調を崩してからは

すぐ自室に入ってしまい、

お酒を飲みながら晩御飯を食べ

TVを観ている。

尤も、私と会話する時、私が何度も聞き返すから

それに苛立ち疲れてしまうからであろう。

距離的には近いのに、こころは違う方を向いている。

3年前までは距離も近く、こころも離れていた。

だが、最近まで徐々に近付いていた。

だからこそ、“こころの距離感”を哀しく

感じるのだと想う。


傲慢な考え方だと綴っていて感じる。

母には母の都合がある。気持ちがある。

だがここで改めて私は、

【独りである】

という事を痛感した。

母の誕生日に贈ったサザンのCDはもう、

聴いてもらえていない。

夏、運転中に聴いている時

過呼吸を起こしそうになってから

聴くとまた厭な気分になるそうである。

私のやる事為す事全てが裏目に出る。

だから考える。生きていなくたっていいじゃないかと。







私は自分の、出生の理由を知っている。

何故、私が産まれてきたか。

母は何故、私を産まねばならなかったかを。

それを全うしなければならないから、生きている。

ただ、それだけである。

無力感が、夏の入道雲のようにもくもくと膨らんでいって

やがて私は雷雨に襲われる。

そんなものである。苦しむ為に生まれてきた。

楽しんだり、喜んだり、幸せになる為ではない。

それを、忘れていた。何を浮かれていたのであろう。

母の寿命が、私の寿命である事。

これが私の運命であるのだと今一度胸に刻み、

決してもう甘い夢など見ないよう

戒めねばならない。





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Last updated  2007.12.23 22:43:53
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