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凍えたココロ

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2008.01.21
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カテゴリ:想い

大寒というだけあり、

朝から物凄く冷たい風が吹き

窓から外を眺めても

グレーがかった風景が

広がっているだけであった。

山間部では雪が降り積もったようで、

その方向から吹いてくる強い風が、

骨身に沁みるような寒さを広げた。

こんなに寒いのであれば、

雪が降ればいいのにと想ったが、

そんな願いは叶わなかった。







こんな寒い日は、やはりホットココアが一番美味しい。

仕事から帰ってきた母は、

余りにも寒い為か、口数が少なかった。

私は丁度シャワーを浴び終えて

お下げを編んでいる所だった。

私のいる部屋はエアコンを付けてあったので

暖かいから、母を呼び、隣に来てもらった。

そして一緒に温まりながら、

私はニュースを観ながら支度を進めた。

スーパーへも一緒に行ったが、

想った通りそこも寒かった。

粗方、購入するものをカゴに入れた後、

いつもの様に母をココアブレイクに誘った。

1杯のココアを、2人で分け合う。

丁度良い量だから、満足できる。


プラスチック製の椅子も冷たかったけれど、

2人でココアを共に飲むと、

「あ~、あったまるねえ。」

と声が揃った。それが何だか可笑しくて

けらけらと笑い合った。

ココアを飲みながら、色んな会話を交わす。

今月の16日は祖母、19日は祖父の誕生日だった。

だから、今月中にお花を持って

祖父母の家へ行こうと想っている。

祖父は年男で84歳、祖母は82歳になった。

祖父は認知症が進んでおり、

祖母も年齢なりに、身体の不調がある。

しかし祖母は今でも体操の先生をしているので

私よりも元気な部分が多く、

所謂【スーパーウーマン】だと感じている。

これ以上祖父母に心配をかけない為にも、

少しずつ、健康を取り戻す努力をしたい。







静々と、こころが沈みつつある。

この頃安定していた方が“奇跡”なのであり、

調子が悪くて当たり前という捉え方をしているので、

慣れてはいるけれど、やはり苦しい。

母の負担になっている事や、迷惑ばかりかけている事を

考えると、申し訳ない気持ちが膨らみ続け、

やがてそれが

「死ぬしかない。」

という考えに至る。

死んでしまったら、この迷惑は終わると

本当に短絡的な考えが浮かぶのである。

だが、

【死んでしまったらもっと迷惑がかかる】

という事実もある。

生きるのも死ぬのも、大切な人の負担となり

迷惑をかける結果を導いている。

憂鬱な想いが頭をもたげて息が苦しくなる。

自分は生きていていいのかと自分に問う。

母は、死ぬのは許さないと言う。

どうしたらいいのか分からなくなって、

こころはずぶりずぶりと底なし沼に沈んでいく。


そういう時、表情は固まっている。

俯いたままで、前を向くのも億劫になり

空を見上げる余裕も無い。

一旦、【悪魔的な考え】に取り憑かれたら

私はそこから脱け出せなくなる。







いつまでも暗い顔をしていたら、もっと状況が悪くなる。

母も寡黙になった私に苛立ってくるし、

私も、いつまでも鬱々としている自分に

腹が立つ。

そういう時は、

のんびり、ぼんやり過ごすに限る。

こころを追い立てる、強迫神経症の症状を

ことごとく無視して、

「ブログを綴らねばならない」

という焦りも、

「まあ、後でも良いや」

とゆらりとかわして、

兎に角、せかせか急がず過ごす事。

そうしなければ、精神的に持たないと

この頃気付いた。

以前の私は、ブログを綴り始めると、

ずっとそれに集中していた。

吸う煙草の本数を決めていたり、

書き終えるまでのタイムリミットを

気にしたりして落ち着かなかった。

だが最近は、文章が出てこなかったら

一休みする。

日本酒を熱燗にしてゆったり飲んでみたり、

本を読んだり、TVを眺めてボーっとしたりする。

夜は、長い。私にとっては昼のようなものであるから。

過食を始める時間を先延ばしにする為にも、

こうしてブログを綴る時間が

ゆったりしているのも丁度良いのである。

そうした、【のんびりゆったりした時間】によって

憂鬱で沈みこんだ気持ちも、

少しずつ浮上してくるものである。

日本酒を飲んだ事による、

身体がぽかぽかと温まり、こころもフワフワしてくる

そんな感覚も手伝ってくれるのであろう。

寒さが1年のうちで最も厳しい

大寒。そんな日は、熱燗がぴったりである。


20時頃の私は、絶望しか感じられなかったけれど、

ようやく、生きていかねばならないという

気持ちが少しずつ馴染んできた。

だが、それも安定はしないと想う。

こころの病気は、精神の安定が一番難しいと

考えるからである。


けれども、母が支えてくれる。

その事に対して感謝の気持ちを忘れず、

お互い【共に】という時間を

大切にして過ごしたいものである。







こころの安定は、滅多に得られないのだから、

揺らぎに一々動揺していたら身が持たない。


【揺らぎ】があるからこそ、

人のこころは広がりを持つチャンスが生まれる。

その揺らぎを自分のものに出来たら、

こころはより大きくなる。

世の中の、瑣末で下らない

【一般常識を気取った悪魔的な声】

など、無視できるであろう。

そういった声は、こころに配慮のない言葉であり、

そのこころを、傷つける事を厭わない。


人にはそれぞれ事情があり、

暮らしている環境も違う。

だから、同じ病名の、こころの病気を

患っているとしても、症状は十人十色である。

また、私が複数の病気を患っているように、

その組み合わせによって人それぞれ苦しみは違う。

なのに、短絡な考え方を持つ人は、

病気に関する考えを十把一絡げにして

捉え、非難する人が少なくない。

“うつ病”も“統合失調症”も、

人によって現れている症状は様々なのである。

特に統合失調症に関しては、

妄想型・破瓜型・緊張型etc...と

様々な類型が見られる。

けれども、知識が浅い人は

少し大袈裟に言うと、

【精神病院に通っている人だから・・・】

と差別するケースも見られる。

社会的弱者を貶め、罵り、傷付くことを平気で言う社会。

その中で、生きていかねばならないのは

時に息苦しさを覚えるが、

仕方のない事なのであろう。

病気になって学んだこともあるのだから。

どういう事を言われたり、されたりしたら傷付くか。

家族や他人とどのような気持ちで接するべきか。


それらを少しずつ学べたような気がする。

大切なのは実践する事だと想う。努力したい。

決して、病気を患ったこの時間が

無駄ではなかったと考えられるようになる為にも。







どんなに冷たく、こころまで凍えそうな風が吹いても、

私と母が作り上げた関係、雰囲気の中には

ゆったりと暖かい空気が漂っている。

まるで、春のように。

しかし、どちらかの調子が悪い時は、

忽ち真冬の風が吹き荒れてしまうけれど、

回復する時間は早くなってきたように感じる。

母のこころの、温かさ。

それによって、私は随分救われている。

母がいなければ、私は生きていなかったであろう。

若しくは、この関係を築けていなかったら・・・。

そのきっかけとなったのは、

私がお薬を服用した量が少し多くて

主治医の前で倒れ、生死の境を彷徨い

入院した事だった。

思いも寄らないきっかけだったが、

それは【タイミングの神様】が導いた事であろう。

寒い日は、母と共に一緒にお蒲団の中で

おしゃべりするのも楽しい。

でも今日、母は疲れていたため

先程もう眠ってしまった。

また、今度。楽しみが先に延びただけである。

冬の寒さはまだまだ続くのであるから。

またこれからの時間ものんびり過ごそうと想う。





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Last updated  2008.01.21 23:38:17
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