凍えたココロ

不思議と、こころが落ち着いていた。

余り神経質になる事もなく、

苛立つ感じもなかった。

なだらかな気持ちで、

ゆったり過ごしていた。







そういう心持だったからなのか、無理はしないでいられた。

身体が怠いと想ったら、

直ぐに身体を横たえた。

すると、すうっと眠りに吸い込まれた。

早朝２時間ほど眠り、

起きた後はずっと読書をしていた。

いつもの時間に、過食と嘔吐を終えたら

また身体が睡眠を欲したので、

身体をケアした後、

お薬をきちんと服用して

お蒲団に入ったら、いつもなら寝付くまで

時間がかかるのに

いつの間にか眠っていた。

そして久し振りに夢を見た。

すると、目覚ましのアラームがなる前に

すっきりと目が覚めた。

つまり、質の良い睡眠を得られたという事であろう。

昨日までは、どんなに眠っても

いつまでも怠くて、身体も頭も重く、

ぐったりしていた。

今日、体調としてはいつものように

お腹は下り続けていたものの、

精神的に楽だった。

質の良い睡眠を得る為には、コンスタントにきちんとお薬を

服用する事も大切であると痛感した。

この調子であれば、明日、

もしかしたら電話診察を受診できるかも知れない。

しかし、気負わないでいようと想っている。







夜、母と過ごしている時間は、

病気の事を少しだけ忘れていられる。

必要以上に自分を貶めたり、

悲観的になり過ぎたりはしない。

ただ、母とのお喋りに興じ、

笑い合う事もあれば、真面目な話をする事もある。

特に母のお仕事の話を聴いていると、

「大変なんだ」という想いの他にも、

「誇りを持ってしている事なんだ」と

母に尊敬の念を抱く。

けれど、母も季節の変わり目になると

パニック障害の症状が強く出てしまうようである。

特に、春になる頃は過喚起症候群の症状が

顕著に現れ、毎年行きつけの病院へ行っている。

また、不整脈が酷くなったり、

不安感が何処までも膨らんだりしてしまうそうである。

例に漏れず、私も春が近付いてくると

不安定になって生活のリズムが狂い、

摂食障害の症状も酷くなる事が多い。

やたら苛々してしまい、ヒステリックになる。

それよりも何よりも、

母が、過呼吸で苦しんでいる姿を

見ている事しか出来ないのが

本当に辛いのである。

紙袋はないので、ビニール袋を口に押し当て、

苦しそうに短い呼吸を繰り返す姿。

私も何度か過呼吸を体験しているのであるが、

深く呼吸しようと想っても出来ないのである。

只管、自分の呼気である二酸化炭素を

吸うしか術はない。

一応、抗不安薬を母は服用しているので

それを飲んでもらって

様子を見るだけになる。

出来る事なら私が代わりたいという気持ちで

いっぱいになる。

「お母さんはいつも頑張ってるのに

　何でこんなに苦しめるのか。」

と八百万の、何かの神様を憎みたくもなる。

そして自分の非力さをも憎む。

季節の変わり目。

特に冬から春に変わるとき。

今から心配で堪らない。

こころの病は、いつ治るか分からないものなので

不安は、いつまでも続く。







この頃、少し無理をしてブログを綴っている自分を感じる。

毎日綴っているから、今日もという感じで

続けているのであるが、

どんなにしんどくても、頭が働かなくても

無理矢理文章を捻り出している。

だが、そうしている内に

自分が心の奥に抱いていた【想い】が

表面に出てくるので新たな発見もある。

以前のように集中して綴る事はできなくなり、

一段落ごとに休憩を取るため

煙草を吸ってみたり、本を読んだりしている。

それでも、自分の時間として

大切に出来ているならそれで構わないと

考えられるようになった。

ブログを始める前は、こうした自分の時間というものが

殆どなくて、只管時間を持て余していたから

ずっと過食と嘔吐を続けていた。

食べて、吐いて、疲れて眠って、起きたらまた

食べ始めるという感じだった。

けれども今は、こうして考えを巡らせながら

キーボードを叩いたり、

行き詰ったら気分転換をしたりと

過食と嘔吐以外の事に気が向いているので

随分楽になったと想う。

それは、時間をも丁寧に使えているような

感じもする。







昨年末、日本酒の美味しさを初めて感じた。

それ以来、母と共に毎日湯呑み１杯の熱燗を

分け合って飲んでいる。

１人で飲んでも美味しいけれど、

２人で飲むとより美味しい。

何より、母と共に過ごす事によって、

一人ぼっちの時間が減った。

以前は、母とも殆ど話さない日も多く、

振り返れば１日に単語しか発していない日もあった。

しかし、最近は会話をしている。

そして母の想いに共感して

一緒に喜んだり怒ったりする事がある。

現在、外出できない状態で友達とも会えない為、

高校生や大学生の頃のように

お馬鹿な話をして大笑いをしたり、

ふざけあったりする事がなくなった。

今は、母が友達であり、また、

私をこころから支えてくれる大切な

存在なのである。

母がいてくれるから、生きていられる。

また母も、私がいるから何でも頑張れると

言ってくれる。

勿論、私の方が重く負担となっているのだが、

母は病気に苦しむ私を、優しく包んでくれる。

私は、本当に恵まれていると感謝せねばならない。

だから、病気が治るための変化も

恐れず、受容したい。







最近、動画サイトで観月ありさちゃんの昔の動画を観ている。

一番のお気に入り。それはありさちゃんが

２０歳の頃、子どもの頃からロングヘアだったのを

ボブヘアーにした事があり、

その頃リリースしたシングルのＰＶである。

お友達であるモデルさんと組んだ、ユニット

“ｃｏｎｖｅｒｔｉｂｌｅ”の

『ｏｈ，ｄａｒｌｉｎｇ』という曲が、良い。

懐かしのＴ．Ｋ．プロデュースの曲なのだが、

ちょっと変わっていて面白いのである。

また、そのサイトでは十代のありさちゃんの

ＣＭを観られるので、次々お気に入りが増えていく。

他にも、椎名林檎さんや東京事変の音楽を

お気に入りに登録しているし、

洋楽も同じく登録している。

好きな時に好きな音楽を聴けるのが嬉しい。

気力が無い時は、音楽さえも聴けないけれど、

何も食べたくないなとか、まだぼんやり過ごしたいな

という時など、このサイトで色々検索して

様々な音楽を聴いていると

あっという間に時間が過ぎる。

ありさちゃんの音楽を聴くときは、

夜中なのについつい一緒に唄ってしまう。

勿論、小さい声ではあるが。

その所為でテンションが上がってしまって

寝付けなくなるので程々にしたいものである。







久し振りに、すっきりと目覚められたのは、

心地好い眠りを得られたからである。

夢の中で、私は猫達と戯れたり、自分が猫になったりと

何だか楽しい雰囲気で幸せだった。

幼い頃の可愛らしい弟も登場して、

夢見が良かったから、すっきりと目覚められたのであろう。

母が帰宅する前に起床していたのは久し振りだったので

母も驚いていた。

そして近所のスーパーへ歩いて行き、

半額のお惣菜を多く購入した。

やはり、ジャスコで買い物をするより安く済んだ。

睡眠時間だけを考えると、いつもより短いけれど、

睡眠の質が良かった事と、無理をしないで

身体の赴くままぐっすり眠った事で

いつもよりこころがクリアーですっきりしている。

【無理をしない事】は結構難しかった。

頭の中では、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」という

考えが目まぐるしく巡っていたのである。

しかし、「しんどい。もう諦めて心身を休めよう。」といった

考えに従ったら、本当に楽になったので吃驚した。

普段、自分が如何に無理をしていたかが分かった。

いつも、そんな怠惰な事をしてはいられないけれど、

偶には心身の赴くままに休む時間を大切にしたいと考えた。