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凍えたココロ

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2008.02.28
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カテゴリ:想い

空気が、春のものへと変わってきている。

早朝、外に出て深呼吸をしたら

ほのかな香気がとても心地好かった。

まだまだ寒いけれど

その寒さは以前より柔らかく、

優しかった。

まだ空けていない空を見上げると

左に傾いた月が浮かんでいた。







水曜日放送された『斉藤さん』を観ていて、

幼稚園の頃の事をずっと想い出していた。


不器用な子どもだったから、

工作をやっても下手だったし、

折り紙も苦手だった。

難しい折り紙は、隣の男の子が折ってもらって

いたが、それは、年長組の頃である。

幼稚園に通い始めた1年目は、

中々友達も出来ず、昨日述べたように

先生にばかりくっついていたので

教室では勿論、

園庭でも、大体1人で遊んでいた。

『斉藤さん』で問題になっていた

“ジャングルジム”も勿論あった。

それは、園庭の隅にある藤棚の下、

つまり薄暗い所にあり

不思議な雰囲気を醸し出していたのを

今でもはっきりと憶えている。

薄暗かったので、余り誰も近寄らなかった。

だから、私にとっての“ジャングルジム”は

唯一誰からも邪魔されない“秘密の場所”だった。

真ん中にするりと入り込み、

その薄暗い場所から日向で遊んでいる皆を

ぼんやり見ていた。

また、その頃から高いところが大好きだったので

よじ登って頂上に立ち、

藤棚に掴まり、その隙間から見える空を

眺める時もあった。

また、他の遊具は誤った使い方をしていた。

滑り台なら、誰も使っていない隙をついて

滑らずに下からよじ登り、

階段を下りた。それから、階段を使わずに

足場までよじ登ったり、

滑り台を滑らず、足場から飛び降りたりもした。

アーチ型のうんていも、ぶら下がって進むのではなく、

よじ登って上を走っていた。

もしもこのご時勢で、先生に見られていたら、

絶対に止められて無理矢理下ろされていたであろう。

でも私は、好きなように好きなだけ遊んでいた。

勿論、滑って転んで怪我もしたし、

鉄棒の上に座っていて落ちて足を擦りむいた事もある。

だが、子どもはそうして沢山怪我をして

色んな事を学んでいくのだと想う。

何処までが安全で、どうしたら危ないのか。

そういう判断を、自分で出来るようになる。

けれども、最近は全てが過保護気味で、

ちょっと子どもが怪我をしただけで

直ぐに大騒ぎになってしまう。

そして問題のものは撤去されてしまう。

それが良いのか、悪いのかは

私には判断できないでいる。







久し振りに、2日続けてアラームがなる時間に起床できた。

7時間ほど、断眠もなく熟睡していた。

お薬は、一番強いもの以外は全て服用していた。

夢も覚えていないほどぐっすり眠っていて、

TVも点けっ放しだった。

しかも音量が大きくて、起きたとき驚いた。

いつもならば、小さなメール着信音でも

目が覚めてしまうのに、今日は不思議と

昏々と眠り続けていたのである。

しかし、まだ眠気は残っていた。

いつものようにお薬を服用したり

歯を磨いた後、一服したりして時間を潰し

スーパーへと向かった。

花屋を覗いたら、春の花がいっぱい咲いていた。

“アリッサム”という花は可愛らしかった。

最初花の名前が書かれている札に惹きつけられたので

あるが、想ったとおり、植え込みに植えたいと想える

花だった。

一番印象的だったのは、少し大きめの盆栽に咲く

ボケの花だった。

淡いピンク色の、五弁の花弁が枝にびっしりと

咲き誇っていて、とても美しかった。

名前の響きに似合わない花だと感じた。

そこでこころが潤った。

スーパーではいつも通りに買い物をした。

途中で飲むホットココアは、本当にこころが和む。

ジャスコほどではないけれど、

やはり寒い上、起床してからはミルクティーと

お薬しか胃に入っていないので

ココアを飲むと落ち着く。

甘さに安らぎ、空腹に因る胃痛も

低血糖も防げる。







無理をしていると感じても、それをコントロールする事は出来ない。

強迫神経症の症状に振り回され、

疲れて横になりたいと想っても、

次から次へと【やらねばならない事】

生まれてきて、それに対応していかねばならない。

どうでも良いような事にでも、

全力で取り組まないとすっきりしない。

だから唯一落ち着いているのは

起床後ホットミルクティーを飲みながら

煙草を吸っている時だけだと感じる。

強迫観念があるから、痩せる事に関して

異常なまでに執着していて、食べてはいけないと

禁じているものがある。

強迫行為によって、過食と嘔吐は毎日している。

しかし、摂食障害が主な病であり、

どちらが先に発生したのかは、

鶏が先か、卵が先かという問題になる。


しかし、摂食障害には強迫神経症が

重なっているケースが多い。

13年の間に私は、他の病気を患っている事も知った。

だからなのか、1日1日を過ごす事で

今は精一杯になっている。

兎に角、シャワーをきちんと浴びて

過食と嘔吐の後には野菜ジュースやスポーツドリンクを

飲んで身体のケアをする事。

もしも自傷するほどの困難にぶつかったら

その傷を丁寧に手当をする。

そして、きちんとお薬を服用して

睡眠を大切にしてぐっすり眠る事。

それを守るだけで本当に精一杯になっている。

無論、生活に伴う家事などはやっている。

最近は母と共に夕飯を食べるようになったので

簡単な手伝いをするようになった。

PCに向かうよりも、母との時間を

優先している。







母は言った。

「今まで何でこうやって一緒にご飯を

 食べんかったんやろうね。

 2人で食べる方がお喋りできて楽しいし、

 ご飯も美味しいのにねえ。」


私も最近つくづく感じている事であった。

でもこれは、機が熟したからこそだと感じている。

あらゆるプロセスを経てきたから、

現在、母と共に肩を並べて

1品の手作り料理と、細々としたお惣菜を

お酒を酌み交わしながら食べられるのだと想う。

実際、少し前まで私は固形物を食べると

すぐ過食と嘔吐に繋がってしまって

“共に食べる”という事は出来なかったし、

母の傍で過ごすのも照れくさかった。

けれども私は今、心細さと寂しさを持て余していて、

安心感を満たしてくれるのは母との時間だけなのである。

時々、母は酔ってしまって絡み酒となり

こころに痛い事をちくちくと言ってくるけれど、

笑って受け流せる余裕もある・・・とは言っても

その日は必ず過食に繋がってはいるが。

母には勿論悪気はないと分かっているし、

次の日になれば何を話したかを忘れているので

トラブルにはならない事が救いである。

2人の時間、TVは点けっ放しだけれど、

殆どお喋りをしているので内容は分からない。

母のお仕事について話したり、

私の具合に着いて話したりと色々であるが、

今日は余りにも私が悲観的になっていたので

諭された。

「まだ27歳なんだから、諦めたらいかんよ。

 今は外に出てないけん、視野が狭くなっとるんよ。

 そんな自分を貶す事ばっかり言ったら駄目だ。

 散歩したり、自転車で走ったりして景色見てごらん。

 ちょっとは変わってくるって。」


ありがたい言葉ではあるが、今は外に出る

気力も無いし、自転車もタイヤがパンクしていて

使えない。

しかも生活のリズムが乱れて

この頃は昼夜逆転している。

きっと、春が近づいているこの時期、

早朝の散歩は気持ちがいいであろう。

ただ、母が仕事に行ってしまって

独り、家でずっと家にいるという事が

まだ怖いのである。

時間があると、私はすぐ食べてしまう。

それは過食になり、嘔吐して疲れ、眠り、

また起きたら食べ始める。

独りであるという寂寥感や

心細さが、病症へと繋がっているのであろう。

原因は分かっていても、それを止める事は不可能である。

だから、私は夜の間・・・母が家にいる時間・・・ずっと起きていて

母が仕事に行ったら眠る。

そして帰ってくる頃に目を覚ます。

【1人でも大丈夫】

もうれっきとした大人である年齢なのだから、

そう想えるようになりたい。







近所のスーパーは、一応市内に3店舗くらいある

チェーン店でもあるが、品揃えが乏しい。

特に、品切れになってから補充されるまでの期間が

長いので、いつも買っているものが

売り切れていると、何日も他の商品で代用しなければ

ならない。

特にこのお店にはお手頃なイカの塩辛が売られていないので

いつもは“イカうに”という、

食感は塩辛に似ているけれど、イカが少量のウニで

まぶされているものを購入する。

これも熱燗と合うのである。しかし、売り切れてから

3日以上経っているが、まだ品切れのままである。

また、大好きな“あたりめ”も

ずっと品切れの状態である。

いつも購入している商品がないと、戸惑ってしまう。

半ば、強迫観念で買い物をしている部分があるからだろう。

でも、母と一緒に買い物をしていれば、

徐々にパニックになりかけていたこころも落ち着き、

代用品を考えられるようになる。

今日、花屋で見かけた花。

春の花はもう咲いている。

私はまだ、真冬の真っ只中にいる心持である。

錯乱状態に陥って以来、こころは凍えてしまっている部分がある。

もう少し、悠然と構えられる余裕がほしい。

ゆったりと、ゆとりを持って過ごしたいと想う。

強迫神経症に振り回されると

疲れるだけで何も益はない。

取り敢えず、こころの赴くままに

【眠くなったら無理に起きていないで眠る】

という事だけはやってみたい。





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Last updated  2008.02.29 02:11:05
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