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カテゴリ:日常
久し振りに雨が止み、 植え込みの桃の木は、活き活きしていた。 花弁は散ってしまったけれど、 その代わり、青々とした葉っぱが みずみずしい葉が上へ上へと 広がっていた。 去年の春は、油断していて その綺麗な葉は毛虫に食べられてしまった。 余りにも悔しかったので 私はその毛虫を枯れ枝に乗せ、 道路を隔てた所にある 草ぼうぼうの空き地に放った。 その草を食べて、毛虫は生き続けただろう。 葉が無くなってしまった桃の枝は、 細く、とても哀しげだった。 今年は、気を付けてケアしたい。 姪っ子が通う幼稚園は、妹一家が住んでいる家からは 少し遠い所にある。 園バスに乗るほど遠い場所ではないので、 妹が車で送り迎えするようである。 これから妹は、朝早く起きて 旦那さんの為にお弁当を作り、車で会社に送る。 そして戻ったら姪っ子に幼稚園へ行く支度をさせて 幼稚園へ送る。 その後、妹はバイトに出掛ける。 仕事が終わったら、子どもを幼稚園へ迎えに行って 夕飯の買い物をして、夕飯を作る。 旦那さんの仕事が終わるのは22時を過ぎる事が多いが 会社へ迎えに行き、 そしてやっと休めるであろう。 私には到底、こなせないスケジュール。 妹は、結婚式を控えているから 精神的にもいっぱいいっぱいだと想う。 それでも、毎日の生活を成り立たせる為に 必死で頑張っている。 幸せな家庭を築きたいと願っている事が ひしひしと感じられる。 妹は余り身体が強い方ではない上に 去年、大切な人を喪ったばかりである。 だから、 「そんなに頑張り過ぎないで、無理をしないで」 と言いたいけれど、弱音を吐かない子なので 心配ばかりが募る。 それに引き換え私は1日中、 病気の身体を抱えて暴発寸前である。 幸せを追い求める気力すらない。 否、幸せとは何なのかさえ分からない。 だが、妹の事を想うと、 自分の存在が恥ずかしくなる。 生きている意味ばかり考えているが、それは無意味かも知れない。 行き着くところは結局、 「私は周囲に迷惑ばかりかけている。だから生きていては駄目だ」 「私が生きている事で、周囲が傷つく。生きていてはいけない」 「母や主治医、カウンセラーが見放してくれたら きっと私は消えられるんだろう。 けれども私は見放される事を恐れているという 情けない人間だ」 そういった類の戯言である。 自分を責めても、何も発展的な事が無ければ 何も始まらない事も分かっている。 また、私が突然消えてしまったら、 母が生きていけなくなり 家族に深い傷を残してしまう。 “生きていくしかない” 覚悟を決めて。 風に乗って漂ってきた甘い香の正体は、 花の香りだった。 花屋さんにある、沢山ある花々の中の 何かの花の香り。 一番、目を引いたのはシャクナゲの花だった。 美しい東雲色・・・それに白を混ぜたような花が集まり 大きなぼんぼり状になっていた。 母と、ゆっくり眺めた時間が、少し嬉しかった。 喜びは、其処彼処にちりばめられている。 でも今の私にはそれを掬い上げられる 感覚が鈍っている。いつか晴れたら、 春の暖かい光を浴びて、少し気分転換を図りたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.04.11 20:56:48
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