凍えたココロ

母の怪我。

芳しくない状態が続いているので、

タウンページでＭＲＩ検査が出来る

病院を探して、水曜日、そこへ再診に行った。







最初に行った病院は、はっきり言ってヤブだった。

母は、気が遠くなるほどの痛みで

苦しんでいるのに

レントゲンを撮る際、無理な姿勢を強制して

痛がる母に文句を言ったという。

しかも、次の日お薬をもらうため

行った時には、

「もう、松葉杖いらないでしょ」

とその医者は言ったそうである。

捻挫は、動かさない事、冷やす事など安静にするのが第一である。

まだまだ腫れ上がっている母の足を見て、

そういう事を言うのだから、

本当におかしい。

再診で行った病院は、偶然にも

「整形外科ならここ！」

と評判の良い所だったらしい。

駐車場も院内も広く、また看護師さん達も

とても気遣ってくれたと言っていた。

待っている患者さんは沢山居たけれど

待合室がゆったりしているので、待つのは苦痛では

なかったとの事だった。

１５分までという時間制限はあるけれど、

無料のマッサージチェアも置かれていたというので

患者さんの事を考えている個人病院なんだなと

感じた。







足の腫れの原因は、炎症によって水が溜まっているとの事だった。

いつまで経っても腫れが引かないので、

連休前にもう一度、藪医者に電話したら、

「捻挫なんだから痛みはあるよ。

　靭帯が切れてる訳じゃないんだから

　そのまま様子をみるしかないです」

としか言われなかった上に、

“電話診察料”を取られた。

此処で大切なのは、

“靭帯が切れているかどうかはＭＲＩ撮影をしないと分からない”

という事である。

勿論、その藪医者の病院にはＭＲＩ撮影機などなかった。

今回、私の提言でＭＲＩを撮ってくれる病院を選んで

母は行った。

ただ、残念な事に水曜日と土曜日は

院長がいなくて、大学病院の医者が診るという事だった。

でもあの藪医者よりは専門的である。

ＭＲＩの写真を見ると、

靭帯は伸びに伸びきっていたらしい。

もしかしたら、切れていたかもしれないと。

怪我をした日から時間が経っているので

何も言えないが･･･と言われたらしい。

以前、母が足を捻った際、やはり靭帯が切れた。

その時は、取り外しの出来るギプスをつけていた。

ずっと固定されていたので治りも早かった。

しかし今回は、固定なんてされなかったから

中々治らないし、

湿布薬と炎症止め、鎮痛剤数種類を処方され

そのお薬で母は胃を壊し、弱りきってしまった。

「病院選びって本当に大切なんやね･･･。怪我した時は、痛みで

　頭の中がパニックやったから

　ずっと昔にじいちゃんがお世話になったところを想いついたんよ。

　でも先生は変わってたから･･･。

　あの時点で、早く他の病院に変えとけば良かった」

母はそう呟いた。

一時期は、何も食べられない日があったり、

食べても吐いてしまったりしていた。

今回、院長が居なかった事で新しいお薬の処方は

無かったけれど、

兎に角“固定しておく事が大切”なので

「サポーターは常に付けておいて下さいね」

という先生の言葉を母は守っている。

少し、母は元気を取り戻したかのように見えた。







けれども、心配事はまだまだ残っている。

妹の事である。

この頃忙しかった所為か、よく体調を崩していたのであるが

最近、喉のリンパ腺がかなり腫れているのに気付いたらしい。

でも、発熱はしていないという。

耳鼻咽喉科に行ったところ、

「熱が出ないのに、こんなにリンパ腺が腫れているのは

　重篤な病気を疑った方がいい」

とさらりと言われたらしい。

妹は１人で受診したので、相当心細かったと想う。

血液検査の結果が出るのは、１週間後。

個人病院なので、それだけかかる。

“私だけ苦しめば良い”といつも願っている。

だから、“私の大切な人は幸せになってほしい”と。

なのに、大切な人、大好きな人が苦しむ。

哀しくて、哀し過ぎて涙も出ない。

私の命と引き換えにすれば良いのかと

強く想う。

それで大切な人達が幸せになるのなら

私はいつでもこんな命、棄てる。