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凍えたココロ

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2008.05.14
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カテゴリ:想い

久し振りに赴いた映画館。

座席が整然と並んでいて、

大きなスクリーンを目の当たりにすると

余りにも日常と掛け離れたその情景でも

ふと懐かしさを覚えた。







座る席は、かなり吟味した。

母も少し視力が落ちているので

余り後ろの方ではいけない。

しかし前の方だと首が痛くなる。

出来るだけ姿勢が楽でいられる席の、

スクリーンのど真ん中を選んだ。

というのも、平日の一番最初の上映時間だったので

まだ来ている人はまばらだったから

出来た事である。







少し早目に、席に着いたのは良いけれど、

私はお薬を服用していた為に物凄く眠かった。

余り母との会話も弾まず、

「パンフレットを買っておけば良かった」

とその時、後悔した。

繰り返しスクリーンに映し出される

マナーや館内の案内に辟易してきた頃、

10時10分になった。







この映画館では、先ず、CMが流れる。

しかし何よりも、その音の大きさに驚いた。

暴力的なまでに、頭にガンガンと響くほど

流れてくる音が大きいのである。

私は、大きな音に対して一種の恐怖感を持っているし

久し振りの映画だったので

こんなにも大きな音だったかと

こころがパニックを起こした。

パニックを起こしたら私は解離する。

なんて単純なんだろう。

普段、静かな環境に慣れていた事もあり

その爆音はこころを掻き乱した。


CMが終わり、様々な映画作品の予告が流れている間も

呆然としたままだった。

余程呆けた顔をしていたのだろう。

母は何度か私に声をかけてきたけれど

その全てに応える事は出来なかった。

もう、余裕は無かった。

そして、やっと本編が始まった。







暴力的なまでの音には、

次第に慣れていった。

けれども、突然の爆発音とか

発砲音には心臓が跳ね上がるような感じもした。

音に敏感になりながらも、

ストーリーに集中した。

何しろ、私は水谷豊さんが大好きだから。

この『相棒』という作品も、

ドラマは全て観ているほど、大好きだから。


内容については語れないが、

笑えるところは声を出して笑ってしまったし、

緊迫するシーンでは、手に汗を握るほど凄かった。

特に印象的だったのは、

西田敏行さんと水谷豊さん2人だけのシーンである。

今でも、あの大きなスクリーンに映し出された

西田敏行さんの顔が焼き付いているほど、

胸に迫るものがあった。


また、泣けるところも沢山あった。

けれども隣に母がいるので何故か我慢してしまい、

でも、感極まってしまい涙は臨界点を超えて溢れた。

この作品は、2度3度と観る度に面白さが深まっていくだろうと感じた。

友情出演していた俳優さんが

とても良い味を出していて劇場でも

笑い声が起きていた。







どのシーンも印象深いが、

薫ちゃんが劇中、たくさん走ったり泳いだり

していたのが何故かこころに残っている。


映画を観る人の為へのSP番組もTVで放送され、

それを観ていたので

「あのシーンは1日中水の中にいて

 身体が相当震えたらしいなあ」

とか、裏話を思い出しながら観られたのも

醍醐味だったかもしれない。

映画を観終わった後、暫く動けなかった。

大きな音から開放された事や

急に現実が戻ってきた事にこころが余りにも

鈍感にしか反応しなかったからであろう。

母は、

「音、凄かったねえ。あと、やっぱり長い作品を観る時は

 リクライニングがある方が良いよねえ。

 腰が痛くなっちゃった」

と言いながらも、映画を観られた事に凄く満足していて

私は嬉しくなった。

実は、母はトラウマがあって1人では

映画館で映画を観る事ができないのである。

だから、何度も観たい作品を見逃してきている。

私が一緒に行くだけでも、母は喜んでくれる。

私も、母との時間を共に出来て嬉しかった。







『相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン』

この作品は、DVDが出たら絶対買うし、

また母と一緒に観ようと想う。

この日は、久し振りに外食・・・おうどんを食べた・・・もして

何だか特別な日となった。

天気も特別で、突然大粒の雨が降ったと想ったら

痛いほどの太陽の光が射し、

また曇っては大きな雷が立て続けに落ちるという

不思議なものだった。

とても疲れたことは否めないが、

この日の事を忘れないでいたい。






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Last updated  2008.05.14 21:12:35
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