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カテゴリ:想い
“祖父に会いたい” その想いだけが先走って 身体が、付いていかない。 今日は、祖父の傍へ行けなかった。 少しずつ、祖父のリハビリが進み、 笑う事が多くなっている。 食事も、以前のように途中で眠ることは 余りなくなった。 MRI検査の結果では、 やはり出血の部分から考えると 右半身の麻痺は、快復を見込めず、 言葉も殆ど戻らないらしい。 その上、認知症であるから、祖父は文字を書いたり 読んだりする事が出来ない。 だから私達家族は、 語りかける事で祖父の想いを汲み取る必要がある。 転院先は、決まった。 祖父母の家から近いところなのだが、 急斜面な坂がある、小高い山の上の病院となった。 祖母としては、徒歩での行き来が 不便な場所ではある。 しかし、その病院には 母の、高校生時代の親友である人の母親が 入院しているので、少し安心していると母は言った。 とても綺麗な病院で、明るい雰囲気であると聞いた。 祖父はそこで、これからもリハビリを続ける。 しかしそこが、もしかしたら 終の棲家となってしまうのかも知れないと想うと 私のこころは否応無く沈んでしまう。 現在、私の病症が爆発したように出現している。 祖父の所へ行けない日は 朝、少し眠った後、また発泡酒を飲み始める。 そして、過食と嘔吐をする。 「なんて馬鹿なことをやっているんだ!」 こころの中でそう叫び声が聞こえるのに、 私はそれを無視している。 ただ、病症の成すがままとなっている。 食べて吐いて、眠り、目が覚めたら また食べて吐いて、眠る。 そして夜になったらお酒を飲み続ける。 まるで、現実から逃れるように。 この、哀しくて苛酷な、苦しくて無常な今という時間から 離れようとするように、病気の世界に浸っている。 なんて情けないのだろう。 自分が、憎い。 食べたり吐いたりしている時間があるのなら 祖父の所へ行き、手を握り、話しかけたい。 そして祖父の笑顔を見たい。 一生懸命生きようと、リハビリに励んでいる祖父を 応援したい。支えたい。 しかし、それを阻むうつ病の症状と 摂食障害、強迫観念。 また、恐怖もある。 大切な人が、日々死に向かっていく事。 それが怖くて仕方がない。 でも、その残りの時間を 出来るだけ一緒に過ごすということが 祖父にとっても私にとっても とても尊いものとなり、大事な想い出となるのだろう。 でも、時に身体が動かなくなる。 どんなに祖父に会いたくても、身体が動かない。 病気である事が、治らない事が、 本当に悔しく、哀しい。 父の日だった今日、 母は仕事が1週間の内で1番立て込んでいたため、 会いに行けなかった事を悔やんでいた。 でも、明日は行けるらしいので 私も一緒に過ごす予定である。 父の日・・・私にとっては、関係ないものとなった。 高校生の頃までは、まだ父の事を考えられていたが、 現在、妹と孫・弟の世話は借金までしてするけれど 私の事は殆ど考えていない事を知ったし、 祖父の方が父親的存在としてあるので 何もしなかった。 だから月曜日、祖父にお花を持っていこうと想っている。 綺麗な、お花を。 今日もまた、 「少しでも祖父の調子が良くなりますように」 と雨雲に隠れた星に願いながら 長い長い夜を、過ごす。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.06.15 22:18:47
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