アメリカとメキシコ国境のフェンス工事が始ったようです。
日本のように海で囲まれていれば、こんな悩みもないのでしょうが・・・。
メキシコって意外と金持ちもいっぱいいるのですが、こんなニュースばかり流れるので
すごく貧しい国っていうイメージがついている気がしてなりません。
以下東京新聞のニュース
米国とメキシコ国境で約千百キロに及ぶフェンス建設が本格的に始まった。国境警備を強化し、不法入国拡大に歯止めをかけるのが狙いだ。十一月の中間選挙を強く意識する共和党主導の米議会に押される形で予算措置が決まった。標的にされた中南米系住民から激しい反発が上がる中、現代版「万里の長城」建設が進む国境地帯を見た。 (米カリフォルニア州サンディエゴで、久留信一)
■厳戒
米カリフォルニア州サンディエゴ市南部。女性州兵ゾラ軍曹(23)が、双眼鏡で眼前の国境地帯に目をこらしている。
土壁の質素な民家が密集するメキシコ側の町ティフアナとは対照的に、米国側には砂漠が広がる。不法入国者を発見し、国境パトロール隊に通報するのが軍曹の任務だ。
今年六月、国境地帯に全米各州の州兵約六千人が派遣された。駐留兵士はカリフォルニア州だけで約千二百人。厳戒態勢でフェンス建設支援や監視活動にあたる。その一人であるゾラ軍曹は「灼熱(しゃくねつ)の季節が終わるこれからが、不法侵入のピーク」と表情を引き締めた。
国境は西の海岸線から緩やかな起伏を描きながら東の内陸部に延びる。周辺には侵入を感知するセンサーが埋設され、十マイル(約十六キロ)以上先の人影を鮮明にとらえる超高性能の暗視スコープも配備された。上空は四機の軍ヘリコプターが交代で監視飛行するものものしさだ。
「両手を壁に!」
国境近くの不法入国者専用の拘置所では、警備隊員の荒々しいスペイン語が響く。強制送還のため拘置所の外に引き出された不法入国者たちは、身体チェックを受けた後、後ろ手に手錠をかけられ、待機するバスに押し込まれるように乗り込んだ。
サンディエゴ国境警備隊によると二〇〇六年度(〇五年十月-〇六年九月)に同隊の受け持ち地区であるカリフォルニア西部地区で逮捕された不法入国者は約十三万七千人。前年度を約千人上回った。マリフアナ・コカイン密輸の犯罪行為は二倍以上に膨らんでいる。
■現実
ブッシュ大統領はかねて、中南米諸国からの不法入国増加問題について「取り締まり強化だけで問題は解決しない」と抜本的な移民法改正の必要性を強調してきた。農場や建設現場などで、単純労働の担い手としてメキシコや中南米系住民(ラティーノ)は欠かせない国内事情があるからだ。
ラティーノは〇五年で約四千百八十七万人、米人口に占める比率では約14・5%(米国勢調査局)に達し、政治的にも無視できない勢力に育ちつつある。メキシコ政府も「フェンスは現代のベルリンの壁。両国の友好関係を損なう」と大統領に署名回避を働きかけた。
だが、国境警備強化はブッシュ共和党政権が最優先課題として打ち出す「安全保障強化」に沿っている。中間選挙で不利を伝えられる共和党が中心にまとめた国境警備強化法案に、拒否権行使の選択肢はなかった。
カリフォルニア州からテキサス州にいたる米墨国境は北海道から沖縄までの距離にほぼ匹敵する約三千キロに及ぶ。警戒の手薄な地域を選んで侵入を試みる動きは絶えない。今月十日にも、サンディエゴでフェンスの下にトンネルを掘って侵入を試みたグループが摘発された。
警備強化に費やす予算は総額約十二億ドル(約千四百二十八億円)。移民制度改革を先送りしたまま、国境沿いのフェンスが連なっていく。
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