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最初にその部屋を見たときは、卒倒しそうになりました。
あまりの古さ、キタナさに・・・俺ぁ、ついに妻子をこんなとこに住ませてしまう男になったのかと。 でも仕方ない。現状はキビシイ金欠状態。 なんといっても、家賃が9千円!以前のアパートが7万6千円だったから、水準として1/8になったと思えば全然オッケー(?)。 しかも、職場が近い!徒歩2分! ・・・そんな言い訳のような自問自答を繰り返してました。 けれど、案ずるより産むが易し。とはよく言ったものです。 この宿舎にはとても素晴らしいもの、そう、コミュニティがあったんです。 ある日のこと。 ちょいと珍しく、明るいうちに家に帰りました。 団地にさしかかったとき、0歳から4歳までの子供たちが5、6人走り回ってるのが見えました。 私を見つけて「父さ~んっ!」と駆け寄る息子。可愛い。 それを見ていた他の子たちまで、 「誰?ななくん(うちの子は、ななきといいます)のお父さん!?わーいっ!」 とか叫びつつ、全身にまとわりつくまとわりつく。 膝、腕、肩、背、そして頭の上にまで子供たちでいっぱい。 なんとも幸せな体験をしてしまったのです。 その様子を観ながら何やら囁く奥さまたち。初体験だとおっかねぇ(笑) 子供の基地になった私ぁ、まるで見世物のようでしたが、子供がたくさんいるからそれでもオッケー(?) しばし子供たちと遊び呆けてました。 さすがに体力の限界を超え、逃げるように我が新居の鍵を開けようとすると・・・なんと! 鍵が開けっ放し! 女房いわく「こんな安全なとこに住んでるのに、鍵かける必要ない」らしいんです。 へー。こいつぁ驚いた。おまえがそんなこと言うなんて。 だけど、そりゃそうだ。 こんなにたくさんの奥さま方と子供の眼がある団地なんて、ドロボーはおろか、住民だって入り難いよ(笑) これって結構、俺がコムース氏と共に実現したいと願う、コーポラティブハウスに近いもんがあるじゃないか。 ここには、何か理屈ではない連帯感がある。 別に同じ職場だからって知り合いなわけじゃない。 だけど、それ(同業)ってのも何か良い方に働いてるんだろうか。 この、異様な空気、環境はかなり居心地がいい。 部屋がボロいのを笑い飛ばせるくらいに。 面白い。 よその子だって、かまわず遊んだりかまわず叱ったり。 気を使うとこだってあるけど、そりゃあもうお互いさま。 そう。 失ったものを取り戻すような感じ。 連帯感ってのは謎の存在だけど、連帯感ってのは絶対に居心地がいい。 人間なんて、どうせ独りでは生きられないんだから、皆で生きた方が気持ちいいじゃないか。 そう思える、ステキな団地暮らしでした。 今のアパートは新しく、何の不足もないはずなのに、やっぱり何かが足りないような気がしてます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/01/25 01:42:10 PM
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