テーマ:商売の心・真心(55)
カテゴリ:経営
弊社は、自慢じゃありませんがコスト意識の高い会社です。
貧乏ですから(笑)、コスト意識が高くならざるを得ません。 でも先日、明らかに赤字のミーティングをやってしまいました。 議論したのは、チラシの内容についてです。 このチラシを送るのは、アンケートにお答えいただいたお得意さまのうち、今月誕生月の方。対象となるのは8人。 S藤くん(部長):「来月誕生月を迎えられる上得意さまにプレゼントを贈りますので、その内容を説明します。」 お贈りするプレゼントは、モロヘイヤの石鹸。 議論に火が点いたのは、その直後。 プレゼントに同封する10%割引チラシについて説明したとき。 S藤くん:「10%割引の対象商品は、モロヘイヤ定番商品です。その他の商品は、割引対象外です。」 N見さん(社員):「どうしてその他の商品は対象外なんですか?」 S藤くん:「もともと、かなりキビシイ原価率で価格設定をしているからです。これ以上安くすると、赤になってしまいます。」 N見さん:「でも、沖の藻塩が580円では、いつもどおりです。だったら最初からチラシに入れない方が良いと思います。」 S藤くん:「いえ。定価は840円なので、十分安く設定しています。藻塩は今、新発売記念価格ですので、これ以上は落とせません。」 N見さん:「でも、発売以来ずっと580円です。お誕生日キャンペーンと言いながら、いつもどおりの価格ではガッカリされる方もいらっしゃいます。やっぱりチラシから外した方が良いと思います。」 S藤くん:「いえ。藻塩の知名度はまだまだですから、知ってもらうためにも同送のチラシに入れる価値はあると思います。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・ この後私が参戦し、この話し合いは延々2.5時間続きました。 その場にいたスタッフ12名。 時給平均を1000円として、 1000円×12名×2.5時間=3万円 この議論(チラシ)の対象者が8人。それも藻塩は11月から価格を戻す予定なので、ホントに対象者は8人なんです。 議論となったコスト=580円×10%×最大8人=464円。 その他にもオリゴ糖とか、いくつかの商品が同様に対象となりますが、いずれにしてもコストにしたら5千円を超えない話なんですね。 高いだの安いだの言ってる内容より、人件費の方が全然高い。 もちろん、議論しながらそのことには気付いてましたが、何も言いませんでした。 だって、それ以上に価値のある議論だと思ったんです。 お客さまに対して、どんな感動が提供できるのか。 このことに関して社内で議論ができる環境は、とっても大事です。 安ければ嬉しいのか? 安いですからどうぞ。それで良いのか? 例えば塩だけ、オリゴ糖だけでも買ってもらうことが、果たして農家いづも屋の提供する価値なのだろうか? プレゼント企画を受け取ったお客さまが喜んでくださったとして、おかしいな?と思うことが一つでもあれば、その喜びは台無しではないだろうか? いやいや、それほどでもないのでは? 議論は延々続きました。 計算上は赤字の議論が。 でも、伝達だけですぐに終わる安い会議よりも、ずっと価値のある赤字会議だっただろうと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/09/27 10:35:40 PM
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