源氏物語の紫式部日記67 人々の容姿のことを話したら遠慮がない
〔67〕人々の容姿と性格 賢い過ごし方「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語の紫式部日記」の研鑽を公開してます。人々の容姿と性格 このついでに、人々の容姿のことをお話ししたら、遠慮がないということになるだろうか。それも現在の人のことを。顔をあわせる人のことは、差し障りがあるし、どうかと思われるような、少しでも欠点のある人のことは、言わないことにする方が賢い過ごし方なのかも。宰相の君は、豊子様でなく、北野の三位(藤原遠度)の娘のほう、彼女はふっくらして、とても容姿が整っていて、才気ある理知的な容貌で、ちょっと見たより、見れば見るほど、格段によくて、かわいらしくて、口元に、気品がただよい、こぼれるような愛嬌もそなわってる。立居振舞いもとても美しく、華やかにみえる。気立てもとてもおだやかで、可愛らしく素直で、こっちが気おくれしてしまうような気品もそなわっている。小少将の君(源時通の娘)は、なんとなく上品に優雅で、二月ごろの初々しいしだれ柳のよう。容姿はとても美しく、物腰は奥ゆかしく、性質なども、じぶんでは判断できないように内気で、ひどく世間を恥ずかしがり、見てはいられないほど子どもっぽい。意地の悪い人で、悪しざまにあつかったり事実とはちがうことを言う人があれば、それを気に病んで、死んでしまいそうなほど、弱々しくどうしようもないところが、頼りなくて気がかりです。