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カテゴリ:モロッコ風ガストロノミー編
モロッコで目覚める朝、私は格別に気分が良い。それはホテルやリアド、お義母さんの家でも同じだ。今朝もあの愛しのモロッコ風プチ・デジュネが私を待っている・・と布団の中でそれを考えるだけで、う~ん、幸せ。
まったりとほろ苦いトルコ風コーヒーに、たっぷり濃厚なミルクを入れたカフェ・オーレを小さなミントティー・グラスで頂く。モロッコの熱い日差しをいっぱい浴びてとびきり甘くてジューシーなフレッシュ・オレンジジュースは、モロッコならでは。これにクロワッサンとプチパン(チョコレートデニッシュ)をプラスすると、なんらフレンチ朝食とたいした違いはない。そこで、はるばる極西の国モロッコまで来て、食さずには帰れないのと言われる「モロッコ風パンケーキの数々」の登場である。 まず、最もポピュラーな「HALSHA(ハルシャ)」。大麦のスムール粉に塩やバター、コーンオイルをスコーンのように混ぜ合わせて、適量の水を加えながらひとまとめした生地を、モロッコ風クレープパンで厚めにじっくり焼き上げたもの。こんがりキツネ色に焼けた表面のカリカリ触感と、ざっくり重いスムール粉のしっとりした美味しさ。プレーンでも十分美味しいけれど、これに蜂蜜やジャム、バターを添えて食すのは素朴な贅沢さ・・・という気がする。モロッコの人はこれにオリーブオイルを添えて食べるのもお好み。加えてオリーブオイルに蜂蜜を混ぜたものも我が家の最近のお気に入りです。 続いて「BAGHRIRS(バフリール)」、別名フランス語でMILLESTROUS(ミルトゥル)「千の穴」と呼ばれるこのパンケーキ。ホットケーキが焼けるときのあのポツポツが一千個くらい空いてる小さなパンケーキ。ぽこぽこ空いた可愛い穴は、生地に混ぜたベーキングパウダーのしわざ。甘すぎないしっとりとほんのり白く焼き上げた生地は、これまた蜂蜜やジャムとの相性抜群、きっとメープルシロップなんて添えて食べたら絶妙な美味しさなんだろうなあ。今度試してみます。 次に「MSEMMENS(スメンス)」。これはここ数ヶ月我が家の定番軽食になりつつある。今やどこのホテル朝食でも見かけるくらい、欧米観光客の大好物となったパンケーキ。小麦粉に塩、水を加えて練り上げた生地に、コーンオイルを少しずつ加えながら伸ばしていく。これを何回も繰り返して、パイ生地のように整えてから、フライパンで一枚一枚焼いていく。パイ生地のようにパリパリのミルクレープ風に焼きあがったら出来上がり。表面はパリパリしてるのに、小麦粉のしっとり感が生きてる不思議なパンケーキ。もちろん我が家ではジャムや蜂蜜、オリーブオイルの蜂蜜バージョンも添えて、軽食として頂いてます。 そして最後に「REZIZA(フジラ)」。これは私もまだ一回しか食べたことがないくらいの、珍しい朝食ガレット??の一種。味はほんのり塩味パンケーキ、みかけはなんと、細かいパスタのソボロさん。触るとふんわり、口溶けよろしく、味はやっぱりパンケーキ。なんとも不思議なレシピで、ごく少数の伝統的なお家柄の奥様達が手作りできるのみで、時間もかかる上に、忙しい現代モロッコ女性には受け継がれていくのか疑問なんだそう。幻のレシピとなるやも・・・? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年06月19日 20時49分05秒
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