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2020.02.27
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カテゴリ:飯島多紀哉
なんと本日から​『送り犬』の100円セール​が始まりましたぁ。
お汁粉ドリンクより安いよ。
興味があったら、とりあえず遊んでみてくださいね。

なのでちょっと宣伝。
もともと『送り犬』は同人PCゲーム​『アパシー ミッドナイト・コレクションvol.1』​の中の一タイトルとして発売されました。
殺人クラブにターゲットにされた倉田恵美がケロケロッと修羅場を乗り切っていくコメディホラー『恵美ちゃんの殺人クラブ観察日記』。
日丸谷秀和さんがキャラクターデザインやスチルなどを担当した一本道ノベルゲーム『柱の傷』。
そして新たな世界を構築する意味で制作した分岐ゲームの小品『送り犬』。
この三本を同梱して当時1500円で発売、1万本以上のセールスを記録し同人界で大ヒットを記録しました。
本来は『恵美ちゃんの殺人クラブ観察日記』をswitchにしたいという話だったのですが、その規模はシナリオ量だけでも『送り犬』の三倍以上。
しかも、コンシューマでは絶対に発売できないような表現満載のため、実現は厳しいものでした。

当時『送り犬』のキャラクターデザインやスチルを担当してくれた怪聞堂(御前伶咲)さんが、『送り犬』の小説をkindleで発売するという話を受けて表紙を書きおろしてくれることになり、その縁もありswitchで『送り犬』を移植することになりました。
僕がシナリオを書いているのは根幹シナリオとなるエンディング『送り犬』のルートです。
いくつかルートのお手伝いもしていましたが、当時は一本道の『柱の傷』と膨大な分岐量を誇る『恵美ちゃんの殺人クラブ観察日記』の調整が忙しく、演出には拘れたものの分岐はスタッフが仕上げたものが多いです。

この『送り犬』は地味に評価をあげていき、のちに真相解明ルートなるものを加えてアプリゲームとしても発売されました。
しかし、僕はこの真相解明ルートは書いていません。
僕にとって『送り犬』は根幹ルートのみで解決しているため、その真相は皆さんに想像していただければよかったわけで、あえて描くつもりはありませんでした。
しかしアプリゲームの発売元の依頼で、お婆さんは送り犬とどんな約束をしたのか、『送り犬』の真相は何だったのかを描いた真相解明ルートを加えることになりました。
なので、このルートのみ文筆家の方にお願いしております。
テイストの異なるルートなので、同人版しか遊んだことのない方には新鮮に映ると思います。
知る人ぞ知るメンバーたちも登場してくれますし。

そして、この真相解明ルートを加えただけではswitchに移植するに当たって少し物足りないということで、新たに僕がシナリオを2本書き下ろすことにしました。
これもswitch版の発売元であるメビウスさんから依頼されたものでした。
白井さんと山崎君が主役となるシナリオで『ぎぃぎぃさん』と『シーガール』です。
僕が書いたこの2本の新作シナリオはswitch版『送り犬』でしか遊べませんから、100円セールの機会にぜひ遊んでいただけると嬉しいです。

キャラクターデザインは一部を除きオリジナル版の怪聞堂さんが担当されています。
ただ、スチルはメビウスさんの社内の方々が描かれたものだと聞いています。
理由はオリジナル版『送り犬』のスチルは過激なものが多く使用できないもの多数ということと、怪聞堂さんの絵柄がかなり変わっているため、昔のスチルを使用するのが難しいということでした。
まあ、確かにオリジナル版から10年以上経っていますからね。

100時間遊べるほどの超大作というわけではありません。
全分岐あわせても10時間かからずに遊べるお手軽さだと思います。
一話一話も、長くても一時間かからないものばかりです。
僕がいろいろな場所で話している

「分岐ゲームは長編シナリオばかりではなく、ショートショートの集まりだからこそ面白いという作品があってもいいんじゃないか」

を体現している作品だと思います。

実は『送り犬』も過激な表現が多く、修正を余儀なくされることは覚悟していたのですがなぜかCERO審査Dランクで通ってしまうという奇跡が起きました。
現在ではまた審査が厳しいなっているため、このレベルのものをCEROを通すのは難しいというお話。
確かに、そうかもしれません。
文章的にはかなり過激だったり辛辣だったりする表現もあります。
『送り犬』は本当に地味ながらもアプリで展開されたりswitchでまで発売される運の良い子です。
CEROの審査をDランクで通過したのも『送り犬』だからこそかもしれません。


今回100円でセールをするということは、すでにたくさんの方々に遊んでいただき、制作費も無事回収できたようなので、これからはより多くの皆さんの手に取ってもらいたいというメビウスさんの御意向により実現いたしました。
売れたからこそできるセールって本当にゲーム好きの皆さんの力の結集なのですから、素晴らしいことだと思います。
同人版、アプリ版、switch版に関わらず、今まで『送り犬』を遊んでくださった方々、ありがとうございました。
そしてまだ遊ばれていない方、この100円セールの機を逃さずに是非。
ノベルゲー好きなら、一度遊んでみる価値はあると思いますよ。





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最終更新日  2020.02.28 14:28:55



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