(2044) トリや、サカナや、西武線が ガタゴト通り過ぎる踏切 「そのグルグルって、 大隈講堂にツイラクしてきた飛行船みたいなやつ? ほら、この間、モノリス言ってたでしょ」 「あんなにデッカクなかったよ。 もっとフニャフニャ柔らかで、 何か見たこともない生き物みたいな気がした。 ちょっとくすぐったかったし」 「じゃ、さっきも…。四畳半の中を そのヘンな動物が飛び回ってたり?」 「うん、パタパタって。 ちょっとだけ…背中にぶつかった」 カランカラン。 ガタンゴトン。 野方と都立家政の間の踏切だと思う。 こんな真夜中なのに。 きっと貨物を積んだ臨時列車が こっそり走り過ぎる音。 カランカラン。 月の裏側の忘れられた火山の穴。 その底でタオルケット被って息を潜めていたら ずっとずっと誰にも見つからないのかしら? 前にも、同じ景色を想像したことがある。 ガタンゴトン。 私の心臓の下あたりを時々 西武新宿線が折れそうになりながら 通り抜けていく。 「モノリスったら、高校の文化祭の舞台で… 最後にギターをブンブン振り回せば良かったのに。 アンコールなんてやらなくて」 お月様って誰にも後ろ姿を見せないんだもの あの黄色い衛星の背中は、 誰も知らないセカイの、もう半分なんでしょう? 「でもさ、ウサギ…」 アナタは 三日月マクラで、もう夢の半分向こう岸。 「ねぇ、フォークギターでも… 体育館の窓ガラス、全部ワレたかなぁ?」 カランカラン。 ガタンゴトン。 もうすぐ遮断機が上がるわ。 私は、いつも月の裏側から覗いているだけ。 --------------------------- 第2章・1969 --------------------------- << 第2章の1つ前へ (2043)月の裏までパタパタ飛べる耳 *このページは第2章 (2044)トリや、サカナや、西武線がガタゴト通り過ぎる踏切 第2章の1つ次へ >> (2045)デモ隊も機動隊も、まるで1光年先の穴っぽこに向けて演奏している。 << 第2章の始まりへ --------------------------- 第5章・2011 --------------------------- *この第2章とパラレルに第5章を連載中です。 << 第5章の1つ前へ (5069)ホワイト・バレンタイン 第5章の1つ次へ >>未・もうすぐ ------------------------------------------------------------------------- ブログランキング。それぞれワンクリックで投票&順位確認できます。 もし、このギンガにちょっぴり興味を持っていただけたら…ありがとう。 よしっ、ロック!ジャンルへ もしかして絵本?ジャンル --------------------------- Information -------------------------- 連載・絵物語~改訂工事・進行中! ブログ内のあちこちに散らばった「絵本」を整理。 現在この楽天と併行してアメーバブログで順にまとめ直しています。 絵・写真・文、あと構成も大幅に変更して▼のNewヴァージョンで新連載! アメーバブログ~連載・絵本 ↓ツイッターも始めました そして NEW! twitpic.com というツイッターの画像添付サイトを利用して ネット絵本みたいなものが作れないか?と ツイッター絵本~1テラ1ナノ物語 も実験発射中! ----------------------------------- & ----------------------------------- 村上春樹~1Q84 BOOK3 公式サイトに 池田モノリスのイラスト2点掲載中 左 ≫新潮社公式サイト・1Q84~Qの世界-4月2日分「Q3」 右 ≫新潮社公式サイト・1Q84~Qの世界-6月11日分「迷Q」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年03月01日 13時48分26秒
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