さて､今日の新聞に各社の世論調査結果が載っていました｡

麻生政権は､予想どおり低空飛行からいよいよ危険水域に陥り､もはや泡沫に近い状態となっています｡

首相の椅子といった千載一遇のﾁｬﾝｽを手中に収めた歴代首相の多くが､自らの考えに基づき政治の舵取りを行ってゆくのでしょうが､首相を目指す者には大きく2種類に大別されるのではないかと思います｡

一つは､わが国の行く末を案じ､自らのﾋﾞｼﾞｮﾝをしっかり持ってこの国を良い方向に導きたいと考える人物と､とにかくその座に就くことだけに執着する人です｡

もちろんその座に就かなければ出来ないこともあるでしょうが､しかし､国の将来をさておき目先の事だけに囚われその座に就くのではまったく意味がありません｡

何より信念と志をもって政治家にならせて頂き､そしてその頂点に立つのですから､思いつきによる拙速なﾊﾟﾌｫｰﾏﾝｽが優先では話になりません｡

残念ながら麻生さんについては後者の感が強く､この国をどのように建て直そうとしているのかその理念や信念を未だ見る事ができません｡

もちろん刹那的な課題も重要ですが､並行して将来に対し納得できる考えが見えなければ国民はとっても安心して暮らせる訳がありません。

前の記事でも書きましたが､首相就任後まもなく行われた所信表明演説がその最たる場面であったはずなのに､自身の考えと言うよりは、むしろ野党に対して挑発的な質問を浴びせるなど､せっかく国民に聴いて貰える最大のﾁｬﾝｽを自ら逸してしまいました｡

この事ひとつとっても､麻生さんが国民に目を向けているようには思えませんでしたし､もっと言えば宿敵打倒が最大の関心事だったと思えます｡
であれば､この時点がまさに最大の政局に達していた訳ですから､さっさと解散総選挙に打って出るべきだったと思います｡
ここまで､ずるずる来てしまうとただ少しでも長くその椅子に座していたい駄々っ子と思われるだけで､悪い意味で後世に名を残すことにもなり兼ねません｡

総裁･首相分離で行くのか､一本化した新たな自民党の大看板を立てるのか､次なるﾘｰﾀﾞｰについては大変注目が集まるところですが､何やら自民党内部では人材不足が囁かれているようです。

果たして、本当に自民党内には次なる人材がいないのでしょうか｡

私は2大政党制を理想とするところから政権交代が行われ､その後の政界再編によって土台ができれ上がれば良いと考えていますが､もしも､（殆ど許されないが）内閣総辞職でまた新たな総裁を選出するのであれば､中川昭一（財務相兼金融担当相）さんあたりが良いような気がします｡

いつも落ち着き払い､とても堅実な人格にも見受けられ､2世議員とは言え父親の苦労も見てきているでしょうから､まんざらただのﾎﾞﾝﾎﾞﾝではないように感じます｡

とは言え､中川さんの想いや考えを聞いた上での判断になりますが｡

いずれにしても､“立場は人を変える”と言う言葉がありますが､その立場の重要性を良く認識している者が良い方向に変化するのであって､そうでない方は､そのﾎﾟｽﾄに就いた陶酔に浸り､誤った発言や行動などでその人格までも露呈する事になってしまいます｡

すき放題言っていますが､当の私も人の振りを見て我が振りも正すところは正さねばならないと感じております｡