現在、各市町村にとって共通の懸案事項となっている「空き家問題」について、先日行われた勉強会に参加しました。
少子高齢化が顕著になりだしたあたりからこの問題が浮上してきたわけですが、市街地にあってそれが放置されると、防災、、衛生、景観など様々な問題をもたらしてしまいます。
そこで、北海道として、空き家対策に関する取り組み方針(素案)が検討されていますので、概要をお知らせいたします。
1.目的
住宅ストックの循環利用や生活環境の保全に向けて、空き家等の有効な活用などに取り組むとともに、市町村の空き家等対策を積極的に支援することを目的とする。
2.空き家を取り巻く現状・課題
(1)現状
ア、道内における空き家は、年々増加傾向にあり、平成25年の国の調査によると、空き家戸数は約38万8千戸あり、住宅総数の14,1%と推計しています。
イ、道内40市町村で空き家等対策に係る条例を制定している。
ウ、平成27年5月「空き家対策の推進に関する特別措置法」が施行された。
※「空き家対策の推進に関する特別措置法」(平成26年11月27日公布 平成27年5月26日全面施行)
【目的】適切な管理が行われていない空き家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、空き家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進する
【都道府県による援助】市町村に対する情報の提供及び技術的な助言、市町村相互間の連絡調整その他必要な援助に努める。
(2)課題
ア、老朽化した空き家が適切に管理されていないことにより、防災、防犯、景観などの地域住民の生活に深刻な影響を及ぼしている。
イ、地方では、宅建建物取引業者等の事業者が少なく、空き家等の流通が進みにくい。
ウ、技術職員が不足している市町村では、対応に苦慮している。
3.取り組みに関する基本的な考え方
(1)広域自治体としての施策の推進 道外からの移住・定住の促進や全道規模での対応といった広域的な取組の推進
(2)市町村の主体的な取組を支援 技術院が不足している市町村への支援
(3)協同による効果的な取組の推進 市町村、関係団体及び道民と連携した空き家等対策の推進
4.取組方針
(1)空き家等の活用の推進 空き家等の活用に向けて、全道規模での情報発信や相談対応などの取り組みを推進
(2)市町村への支援 市町村が行う空き家等対策の円滑な推進に向けて、的確な人的支援や技術的助言、きめ細やかな情報提供などにより積極的にし彫塑を支援
(3)道民への周知・啓発 空き家の適正管理を促すため、空き家等の活用方法や放置空き家による影響などを道民へ周知・啓発
5.取組事項
(1)空き家等の活用の推進
ア、「空き家情報バンク」の開設
・道内全域を対象とする「空き家情報バンク」の開設
・関係団体との連携による運用と普及・啓発
・「しごと」、「暮らし」など移住関連情報との連携
イ、関係団体と連携した相談体制
・市町村に対する相談体制
・所有者からの相談に対するワンストップ窓口の整備
(2)市町村への支援
ア、道による支援
・技術職員が不足している市町村に対する技術的な助言
イ、関係団体等との連携による支援
・関係団体と連携した専門的な知識を有する人材の紹介・派遣
ウ、情報収集・提供及び調査研究による支援
・道内外の先進的な取組などの情報収集及び提供
・ 積雪寒冷地といった北海道の地域特性を反映した特定空家等の判断基準の検討(北方建築総合研究所と連携)
・その他、施策の推進に必要な調査研究および情報提供(北方建築総合研究所と連携)
(3)道民への周知・啓発
ア、道による周知・啓発
・ホームページや広報誌などを利用し、空き家等の活用方法や放置空き家による生活への影響などの周知・啓発
イ、市町村や関係団体などと連携した周知・啓発
・市町村や関係団体などと連携し、それぞれが所有する媒体を活用した周知・啓発
6.推進体制
(1)市町村との連携 市町村との連絡会議
(2)民間との連携 民間との連携の場の設置
(3)庁内連携 空き家対策連絡会議の効果的な運用