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アウトレイジ 2010年日本映画 ワーナー・ブラザーズ R15+
製作総指揮・監督・脚本 北野武 音楽 鈴木慶一 出演 ビートたけし 椎名桔平 加瀬亮 三浦友和 國村隼 第63回カンヌ国際映画祭出品 残虐なリンチ・処刑シーンがあるためR15+、出演者は男性ばかりにも関わらずシネマランキング初登場4位ととなりました。 10月6日には続編『アウトレイジビヨンド』が公開されます。 今年の7月26日に「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」の改正案が成立し、10月には改正法の施行が予定されています。 企業襲撃を繰り返したり、抗争事件を起こしたりする暴力団を、「特定危険指定暴力団」「特定抗争指定暴力団」として新たに指定して対応する内容だそうです。 これに先立って2011年7月25日に、オバマ大統領は、「国際組織犯罪に関する戦略」の中で日本のYAKUZA(暴力団)を薬物取引や人身売買に関与する「国境横断的犯罪組織」に指定して金融制裁を科す大統領令に署名されました。 北野監督は2001年に映画『BROTHER』で日本を追われて米国に逃れて一旗揚げようとした生粋の武闘派ヤクザ一派が、大量殺人を伴う抗争の末敗北していく姿を久石譲の叙情性のある音楽でセンチメンタルに描きました。 『アウトレイジ』は鈴木慶一の叙情性を排した音楽をバックに、1970年代をピークとする従来のビジネスモデルにしがみつくヤクザの敗北と、ビジネスモデルの都市化・多角化に成功して台頭するヤクザを取り込んで多角化と大規模化する大手の組の姿を描いています。 北野監督は、従来のビジネスモデルが麻薬の密売と売春、リンチと殺人による内部抗争とその請負いであると示唆しています。 椎名桔平演じる背中に大きな入れ墨のある組員が、情婦と最後の密会の後に殺されてしまうのが象徴的です。 同じ組の英語が得意な石原は、アフリカの小国の大使をハニートラップで脅して大使館の闇カジノで成功。愚直な武闘派親分の大友を裏切りました。 予告編を見ると、『アウトレイジビヨンド』では関東最大の山王会の若頭として登場します。 また大手の暴力団は多角化の矛先を政治に向けたようです。 ウィキペディアの「やくざ」と「YAKUZA」を読み比べると、「YAKUZA」の方がその実態を良く記述しているように私には見えます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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