★右であれ左であれ、わが祖国日本
船曳建夫著「右であれ左であれ、わが祖国日本」に対する杉並区和田中学校長の藤原和博氏の書評から。 著者は東京大学教授で文化人類学者。ホリエモンや人気マンガ[ドラゴン桜」の敏腕編集者を輩出したゼミの先生。著者の分析では「日本の対外的な国家体制は過去 500 年間、信長、秀吉、家康の 3 人が理想として追求した 3 つの国家モデルを使い分けてきた」 信長はキリスト教に寛容で仏教を抑える道具とし、国際的な場に日本が出ていく「国際日本」のモデル。秀吉は西洋の影響をいったん排除、東アジアに武力で進出。アジアにおけるイニシアティブを取ろうとする「大日本」のモデル。家康は、キリスト教勢力に対し鎖国した一方、綴密なマネジメントシステムを形成し「小日本」のモデル。 日本が目指すべき国家の姿は、米国の傘下で生き永らえる「小日本」モデルでも、アジアを従えようとする「大日本」モデルでもなく、北欧諸国に似た「国際日本]モデルでもない「中庸国家」。 「あなたは、あなたの子供や後輩に、自分を超えてもっと頑張り、自分がやり残したことをしてほしい、と言いますか?」とも。成長を絶対とするのではなく「美しく衰えるための戦略」、成熟社会を生きる技術が国にも個人にも問われているのではないか、と。 「美しく衰えるための戦略」, 成熟社会を生きる技術など考えたこともなかった・・・。