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カテゴリ:僕の中の名画特集
アルヴィンは、星を見つめる。星を見つめて思い出す。ずっと昔、ずっとずっと昔、ライルと一緒に星を見たことを。星を見て、二人で話したことを。星を見ながら二人で寝たことを。そして、アルヴィンは決意した。ライルに会って、今までのつまらない喧嘩のこと水に流したい。また二人で、昔のように星を見たい。そう思った。 目も悪くなった。腰が悪くて立つのもやっとだ。しかしアルヴィンはどうしても兄に会いたい。運転免許もない。誰かに連れていってやると言われても、アルヴィンはどうしても自分で、自分が決めたやり方で兄に会いに行きたい。 そして彼は、芝刈機で旅に出た。庭の芝を刈る用に作られた小さな小さなマシーンに、寝床となる大きな大きな荷台をつけ、2ヵ月分ほどの食料を詰め込み、車ならすぐの500キロ離れた街まで、ライルに会うために6週間の旅に出た。 一本の真っ直ぐな道を進み、自分の人生を整理する。星を見る。星を見る。星を見る。道で会う人との触れ合いの中に、アルヴィンの人生が詰まっている。爺さんの時間、魂と血と汗、全てが散りばめられている。そんな作品。 芝刈機の速度のように時間がゆっくり流れる。せわしない世の中でゆっくり過ぎ行く時間をこの映画では味わえる。嫌な事件ばかり多い世の中で優しい気持ちになれる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年06月14日 02時12分16秒
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