今が生死

土曜日の外来は混むことが多い。待たせない様に必死でこなすが2時間、3時間待たせてしまうこともある。でも最近は理解してくれる人が多く、「待たせてすみませんでしたね」というと「いいですよそんなに気にしないでください」と笑顔で返してくれる人もいて、ほっとする。

先日テレビで糖質制限食で痩せる番組を見たらしく、糖質を減らす食事や運動を心がけて2Kg痩せた、4Kg痩せたなどと報告する人が多かった。ある人はその食事療法でベルトの穴二つ分おなかが引っ込んだと言っていた。5Kg痩せた人は食事の量を減らして痩せたという。どのようにして減らしたですか？と聞いたら、その人の奥さんはやたらおかずを作る人でテーブルが一杯にならないと気が済まない人で、その人は貧乏性なのでもったいないと思って全部食べてきた。でも太ったりおなかが出てきたので減らしてくれと何度も、何度も奥さんに言って最近やっと減らしてくれたので、体重を減らすことができたとのことだった。

世の中には似たような境遇の人もいるものだなと思った。でもその人は最後には奥さんが言うことを聞いてくれてよかったなと思った。私は何百回も言っているが相変わらずテーブル一杯のままで、おなかポッコリは直らずズボンが入らなくなり新しいものを何本も買わなくてはならない。でも患者さんたちの話を聞いていると皆さん涙ぐましい努力をしており、奥さんなどの他人のせいにしている人はいなかった。私も家内が言うことを聞いてくれないからこんな状態なのだと他人のせいにしないで自分自身が健康に気を付けなければいけないと思った。白米を食べながら日本酒を飲むのは糖分の二乗でおなかポッコリになる原因だと思った。

皆さんに負けない様に自分も食事や飲酒や運動に留意しておなかをもう少しへこませる、できればベルトの穴2つくらいは減らすように努力しようと思った。