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カテゴリ:健康
最近相次いで2例の進行食道がんと一例の進行胃がんを胃カメラで発見した。いずれも手遅れで手術すれば治るという段階ではなかった。胃がんの方は高度病院に紹介したが手術も抗がん剤治療もできないまま間もなくお亡くなりになられた。
前慶応大学放射線科講師 近藤誠氏は、その著書で検診は無意味で、100害あって1利なしと書いている。また手術も抗がん剤も無意味で、がんで死ぬより抗がん剤や手術で死ぬ方が多い。何もしないほうがよいとも書いている。がんになったらすぐ手術、抗がん剤を選択するのではなく無治療も一つの選択であると述べており、がん治療に新たな視点を立ち上げ大きな関心を呼んだ。 しかし氏は放射線科医として、がん治療に携わったかもしれないが、検診でがんを発見したり、がん患者さんを入院で受け持ってはこられなかったと思う。内外の文献はご勉強なされたかもしれないが、実際のがん症例にどれだけ触れてきたか疑問である。実際のがん患者さんと毎日触れ合ってきたらとてもあのような発言はできないと思う。 今回私は3例の進行がんに遭遇し、いかに近藤氏がむちゃくちゃなことを言ってきたか骨身にしみた。3例のうち2例は検診を受けていれば救えたケースである。手術や抗がん剤、放射線治療などを悪者のように言っているが、その治療法を採用できる場合とできない場合があり、無治療を含め現在の病状からはこれとこれの治療法があるがどれにするか本人の意志を確認しながら決定するのが普通で、医師が学会発表するためとか、薬屋とつながっていて両者が儲かる治療法を選択する等はとても考えられない。 患者さんのためにどの治療法がベストかを決めていくのであって、患者さんを治すのはそっちのけで医師個人の利益のために治療法を選択するなどとは身の回りを見回してもそのような医師は一人もいない。もしそのような人がいたら恐ろしさで体が震えてくる。近藤氏があのような本を書かれた背景には慶応大学病院にはそのような医師がいたのかもしれない。もしそうだとすれば恐ろしいことである。 医師は手術、放射線、抗がん剤などあらゆる武器を使って最高の効果を上げるべく患者さんと相談しながら治療法を決めている。近藤氏の本は読み物としては面白いかもしれないが、本質を見ていないので振り回されないよういなさった方がよいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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