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カテゴリ:健康
私はかれこれ50年間医師をして来た。時代の流れによって患者さんの層が変ってきた。特に最近の5年間では受け持ち患者さんの大半は85才以上である。自分が若い頃受け持っていた患者さんは大体40~50歳でたまに70歳くらいの患者さんがいると随分高齢の患者と感じていた。90才以上だと静かにおみおくりするだけで医療の対象にはならないと考えられていた。80才以上なら胃がんが疑われても胃カメラはしないのが暗黙の基準だった。もしその検査で胃がんが見つかっても手術などの治療はできないと考えられていたからである。所が今やその状況はがらりと変わった。今私は90歳の男性、94歳の男性、97歳の女性、80歳台男性、70歳台女性、70歳台男性を受け持っているがかっては70才というと随分高齢の患者さんだったが今は随分若い患者さんになっている。胃カメラだって80歳以上はしないどころか嘔吐で受診した97歳の女性患者さんに本日胃カメラを行い、胃の出口が狭窄していることが分かったので外科にお願いして手術してもらう予定である。今は80歳でも90歳でも100歳でも一般と同じ検査が行われ同じ治療がなされる時代になったのである。家族に対する病状の説明でもかっては90才以上だともうお歳ですから静かに見守ってやるのがよいと思いますと説明していたが今では「お歳ですから」の言葉は通用しなくなりつつある。心労が倍加したように感じているが、時代の変化を受け入れその流れに沿いながら患者さんにとって何がベストかを常に考えながら医療を行って行こうと思っている。
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