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テーマ:『いい死に方』というのは。(3)
カテゴリ:生き方
暮れから新年にかけて私の受け持ち患者さん5人が立て続けに亡くなった。今朝も96歳の小腸がんの男性患者さんが亡くなった。人の死はいつも心に重い影を落とすが、この患者さんの場合は少し違っていた。難聴はあったが96歳でも頭はしっかりしていた。がんと言う病名を告げたわけではないが食べられなくなって点滴だけで生活するようになった頃医者に話したいことがるといって次のようなことを話してくれた。
かって友人をお見舞いに行った時腕の点滴だけでなく、口にも気道にも膀胱にも管が入っていて自分は絶対そのような延命治療を受けたくないと思ったとのことだった。そのことは家族にも話していたらしく病状がだんだん悪くなっていく過程でも家族はそれほど取り乱すこともなかった。末期に数度痛みを訴えたが今朝方静かに息を引き取った。この世とのお別れは本人も家族も辛いものがあり、大きなうねりのような中で周りをも巻き込んで感情の波をおこすものだが、この患者さんの場合は悟りを開いたように静かにこの世を去っていった。96歳という年齢もあったかもしれないが、死を恐れず悠々と去って行った姿はすばらしいと思い、自分もそうありたいものだと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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