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今が生死

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2020.02.29
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カテゴリ:付き合い


12年8か月務めた職場に昨日最後のお別れをしてきた。ここ数か月は苦渋の連続で辛かった。私の後任探しがうまく行かず、入院している難しい重症患者さんとその家族との対応、長く診てきた外来患者さんを今後診てくれる先生への申し送り、医師になって50年の間で一番辛い時期だったと思う。おまけに地元自治会の公民館建設地を私道を介した奥まった所に選んだために何人もの地権者から通行承諾書を頂かなければならず、それに応じてくれない人もいて心労は極限に達していた。
そのような中で昨日を迎えた。入院中の重症患者さんは後を優秀な先生が引き受けてくれて外来患者さんの申し送りも全て済ませたあと各部署に挨拶に回った。いくつかの部署では花束を渡してくれた。ある看護師さんは個人的に靴下と携帯用の小さな水筒を贈ってくれた。外来部門ではいつ準備したのか各人の写真とメッセージ付きのアルバムを贈ってくれた。笑顔に癒されたとか外来診察につくのが楽しみだったと書いてあった。いつも遅くまで外来がかかり、昼食時間が遅くなって迷惑をかけてきたのにそんなに言ってもらって有難かった。ここ数か月はこんなに苦しいなら生まれてこない方がよかったと思ったこともあったが、このアルバムを見ていたら生まれてきてよかったと思った。外から見ると長年経験を積んできた医者がそれほど苦しむことはないだろうと思うかもしれないが、人はそれぞれ目に見えない苦しみを負っているものだと実感している。公民館建設に関してはまだまだ難問が山積しており、生まれてきてよかったという心境にはなれないが、めげずに役目を果たして行きたいと思う。12年間務めさせて頂いた職場の皆さんには心から感謝している。





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Last updated  2020.02.29 11:33:17
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