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テーマ:新しい老人像(207)
カテゴリ:健康
今私はリハビリテーション病院に勤めており、常時約20人位の患者さんを受け持っているが殆どが80才以上、90才以上の高齢者である。
私が医者になった頃は80才以上の患者さんは滅多にいなくて90才以上はまずいなかった。当事も大腿骨頸部骨折する人は多かったがすぐ手術してもらえなかったのでそのまま寝たきりになる人が多かった。脳出血や脳梗塞でも麻痺がある状態のまま寝たきりになり、不本意で生涯を終わるケースが多かった。 しかしこの病院で働くようになり以前の老人感や老人の病気に対する見方が一変した。 老人になると大なり小なり認知症はある。それらの人が転んで大腿骨頸部骨折や腰椎圧迫骨折をする。そのまま放置していたら動けないので寝たきりになり、認知症はどんどん進んで廃人になってしまう。しかし今は認知症があろうがなかろうが年齢が80才だろうが90才だろうがすぐ手術してリハビリ病院に送られてくる。病院には理学療法士が大勢いて彼らが運動療法や作業療法、言語訓練などを行ってくれる。 脳卒中でも早期から歩行訓練や言語訓練を行ってくれる。当院に送られてきた時には口から食べられないので鼻から管を入れて栄養していた人も訓練によって口から食べられるようになった人も沢山いる。 今迄は高齢で認知症だから何をしてもダメと思われていたような人達も理学療法士達が療法を加えることによってかなり改善することが分かってきた。 昔は90才以上の高齢者とか認知症がある人には積極的な医療介入は行われなかったが、今では国民全体の長命化がベースにあってのことだが年齢差別、認知症のあるなしの差別は一切なくその人にとって最も望ましいと思われる医療が行われている。リハビリテーションの使命は病気などで何らかの障害を有する人達の社会復帰を促すことであるが理学療法士等の活躍でその役割が少しは果たせているなと感じている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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