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今が生死

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2021.12.14
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カテゴリ:健康
寒くなってきて起きるのが辛くなってきた。病院に来てみると患者さん達が理学療法士に支えられながら廊下を歩いていた。一生懸命努力している姿をみたら「寒い」「寒い」などといっていられないと思った。
昨年7月当院に赴任して、以来119人を受け持たせて頂き、大半は既に退院しており残っているのは23人である。朝病院に着いたら76才男性患者さんが下血しているとの報告あり。貧血が起こっているか調べるための血液検査をして、出血部を推定するため肛門から指を入れて診察し、大腸腫瘍などを調べる目的で腹部CT検査の指示をだし、栄養管理のための点滴の指示を出した。
骨折で入院したのだがこのような重大な合併症が起こることもある。このような重症患者さんも数名いるが、多くは骨折などが治り、独力または杖やシルバーカーを用いて自宅なり施設に退院していっており、リハビリの効果を改めて感じている。
リハビリテーション医学は新しい医学である。医師にとってはあまりカッコいい診療科ではない。テレビに出てくるようなカッコいい外科医でも、重症患者さんに対応する専門医でもない。実際の治療はリハビリをしてくれる理学療法士等の役割が大きく、医師の役割はそれほどでなくて専門性も少ない。そのため若い医師には魅力が少なく、何処かの病院を定年退職した後の高齢の医師が勤務していることが多い。しかしここで働いてみてそれ程カッコいい診療科ではないが、リハビリ医学は極めて重要な医学部門だと思った。
骨折や脳卒中などで当院に入院してリハビリ訓練を受けると少しずつだが確実に良くなっているのが分かる。従来の考え方だと脳卒中になったら寝たきりになるのは仕方ないと思われていたりするが、重症は無理でも中等症位までの患者さんならかなり機能が回復することを観てきた。
骨折についても86歳男性が転倒して左股関節を骨折して県立病院で手術してもらってその後のリハビリ依頼で本日当院に転院してきたが、このような経過の方は殆ど歩けるようになって退院している。
この方の場合、糖尿病や高血圧、心筋梗塞後等の合併症があるので、そちらの病状の管理もしていかなくてはならないが、高齢者で骨折なさる方々は殆どが合併症を持っている。それらに対する対応は我々医師がするので直接リハビリ指導は出来なくても、チームの一員として患者さんの機能回復に取り組んでいる。あまり目立たない地味な職場だが、全く動けなかった患者さんが少しずつ動けるようになっていくのを観るのは楽しく、これからもしばらくここで働かせてもらおうと思っている。





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Last updated  2021.12.14 13:24:54
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