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テーマ:自然界の力(3)
カテゴリ:辛かったこと
昨日から大学入試共通試験が始まった。受験生にとっては新型コロナ蔓延の最中であり東大正門前では受験生ら3人が高校2年生の犯人に背中を刺される事件もあった。今朝は津波警報もあり、大変な環境の中での受験でさぞかし大変だと思うが頑張って貰いたいと思う。
今朝の新聞に昨日の試験問題とその回答が載っていた。その膨大な量に圧倒されたがまず国語の問題についてみてみた。 長文の読解と長文内の漢字の読みや意味のテストが主だが長文が4つもありそれぞれがかなり長くそれを読むだけで時間が終わってしまいそうで受験生は速読の訓練をしておかないと無理だなと思った。 最初の長文は檜垣立哉さんの文章で宮沢賢治の「よだかの星」を参照して「食べる」ことについて考察した文章である。宮沢の記述ではヨダカは皆に虐められ何をしても孤立してしまう。いつも自分の醜い容姿を気にかけている。何をしても蔑まれなぜ自分は生きているのかと思う。しかしそのヨダカだって空を飛び、羽虫を食べ甲虫だって食べてしまう。なぜ自分のような存在が劣等感を持ちながら他の生き物を食べて生きて行くのか分からない。 問題文の文章はまだ延々と続くがこの文章の中間点の段階でヨダカはこれからどのような思考を展開していくか6つの文章から一つ選べとなっている。 選択枝1は生きる意味が見いだせないまま虫を殺して食べていることに苦悩し現実の世界から消えてしまおうと考える。 2は皆に蔑まれるばかりか最後は自分も鷹に殺されて食べられてしまう境遇を悲観して彼方の世界に旅立とうと考える。 3は弱肉強食の関係を憎悪して不条理な世界を拒絶しようと考える。 4は他者を犠牲にして生きる中で自分の存在が疑わしいものとなり新しい世界を目指そうと考える。 5は鷹に脅かされながらも羽虫や甲虫を食べ続けている矛盾を解消できず遠くの世界で再生しようと考える。 回答は消去法で旅立とうとはしていないので2や4ではなく世界を拒絶しようともしていないので3でもないと思った。残るは1か5だが私は1を選んだ。しかし回答は5であった。もう一回長文を読み返してみたら最後に筆者の檜垣さんは「弱肉強食の苦しみを昇華させるには数億年彼方の星に自らを変容させていくしか解決策はないのである」と書いてあったので5が正解で良いのかなと思った。 しかし宮沢賢治はこの問題には解決策はなく「遠くの遠くの空の向こうに行ってしまおう」と記述していたので私は1を選んだ。 自分が生きるためとはいえ他の生物を殺して食べなければならない自然界の摂理は一部の人達にとっては耐えがたく心苦しいことである。檜垣さんは数億年彼方の星にいけば解決できると考えたのかもしれないが、実際には永遠に解決できない超難問題である。私はせめてもの償いは食べ物を粗末にしないことだと思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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