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カテゴリ:感動したこと
庭のハナミズキ。例年花がまばらだったが今年は何故かこんなにたくさん咲いた。
一人のパーキンソン病の患者さんが昨日退院した。79才女性だ。腸瘻と経口摂取併用で何とか栄養を保っているが殆ど寝たきりで会話も殆どできない。その方をご主人と息子さんで面倒見るとのことで自宅退院になった。病院でさえ大変なのに自宅で面倒見るとは大変な覚悟で頭が下がった。私は他に2人パーキンソン病の方を受け持っている。一人は77才女性、もう一人は65才女性である。 77才の患者さんの旦那さんは今コロナで直接面会できないので本人は手紙も読めないような状態と知りながら毎週手紙を書いて届けている。リモート面会にも毎週来て言葉もあまりしゃべれないので会話が出来ているのか分からないが画面上での数分の面会に通っている。患者さんに昨日旦那さんと画面上で面会しましたか?と聞いても覚えてはいない。それでも少しでも良くなってくれることを願ってせっせと手紙を書きリモート面会に来ている。 65才の患者さんの旦那さんは患者さんを家に連れて帰るかで迷っていた。現状は嚥下障害で食べられなくなり胃ろうを造ったが胃から食べ物を送り出す筋力の衰えのため誤嚥性肺炎を起こすので胃ろうを使うのを諦めて胸部の血管にポート(針を刺して点滴する中継所)を造りそこに針を刺して点滴している状態だった。 家に帰った場合訪問診療や訪問看護の利用で日々の点滴の差し替えはしてもらえるが、旦那さんは自治会の役員もしていて家を空ける時もありその時何かあったら心配だと案じていた。 しかし患者さんが家に帰りたいという強い気持ちを持っていることはよく分かっていたので何としてもそれに答えてやりたいと思っていた。 看護師に聞くと夜間何度も吸引しなければならず旦那さん一人では無理だろうとのことでそのことを話したら「病院でお世話になります」と言ったが奥さんの意に添えない形になってしまいその辛い気持ちがこちらにも伝わってきてこちらも何んとも言えない気持ちになった。 パーキンソン病は全人口では1000人に一人、65才以上では100人に一人でかなり頻度の高い疾患である。最初は手の震えや歩行障害等の症状で年月と共に進行して最終的には嚥下障害などで食べられなくなり、寝たきりになることが多い。 重病にかかった患者さんは大変だがそれを看てくれている患者さんの家族は皆さん親身になって心からの介護をしており、家族の温かい思いやりに感謝し、心のどこかで幸せ感も感じているのではないかと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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