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テーマ:愛すべき草花(9)
カテゴリ:生き方
庭のスパラクシス
幕末に土佐の造り酒屋の嫡男として生まれ、幼い頃から植物が好きで、筆と帳面を持って野山を駆け回り、学制改革に伴って入学した小学校も植物の勉強に集中したくて退学して独学で植物の研究を続けた牧野富太郎。 その後、東京で植物学の研究者たちと出会い、東大の植物学教室への出入りを許されて5万冊ともいわれる蔵書を持ち、植物学の草分けと言われた牧野富太郎の生涯を朝井まかてさんが描いたボタニカという本が最近出版された。 本年4月からは富太郎の生涯を描いた朝ドラ「らんまん」が放映されている。 植物学に夢中で6代続いた造り酒屋をつぶしてしまい高地に妻がいるのに東京で知り合った女性と所帯を持ち生活費は実家の奥さんに送ってもらうという破天荒な生活で子供は13人生まれ94歳の天寿を全うした。 現在ではちょっと考えらえない位自分勝手に自分の好きな道を歩んでおり、純粋さと自由を体現した生き方だったと思われる。 造り酒屋の当主として生まれたがそれに縛られることなく植物の研究に没頭して生涯を終えている。その研究も世の中の役に立つとかお金が儲かるとかとは全く関係なく、好きだから莫大な本を買い、各地の植物を探したり、標本を作ったり、本を書いたりして自由に生きた生涯は、閉塞した現在を突き破る光明のように見える。 学校より植物の方が好きで小学校を中途退学しているが理学博士になっている。学歴がなくたって理学博士にもなれるし植物学の本を出版して大家にもなれるのだ。何かに夢中になってそれをやり遂げることは容易ではない。昆虫に夢中になる子供や車や、宇宙、星に夢中になる子供もいる。現実問題ではそれらに夢中になってもそれでは食べていけない。いつしか社会の荒波の中でそれら夢中になったことは忘れ去られていく。 富太郎は実家が裕福だったので生活のことは考えないで自分の好きな道を思う存分生きられたので、環境に恵まれていたからとも言えるが、それでも自分の好きな道を一生生ききれたということは稀有なことで、物語になったのだなと思う。 「雑草という草はない」というのはどのような草にも特徴があり、生まれてきた理由や価値がある。愛しいし大切にしたいという気持ちだと思う。 雑人間という人間がないのも同じことでどの人間も等しく大切だが雑人間とみなして容赦なく殺戮する悪人もいる。殺戮が続く、ロシア・ウクライナ戦争やスーダンの内紛が早く終わってもらいたいと願う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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