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テーマ:認知症(617)
カテゴリ:健康
千日紅は長く咲いています
日本医師会雑誌8月号には高齢者のかかりやすい病気として認知症について藤田医科大学の武地 一先生が書いていた。 加齢とともに発症が増加する認知症は高齢化率の増加につれて年々増えており、2025年には700万人になると推定され、65歳以上の5人に一人が認知症になることになり、それに家族も巻き込まれていくことになる。 認知症には二つの症状群があり、一つは記憶や認知機能の障害に伴う一連の症状群でもう一つは行動や心理状態の変化を示す群(BPSD)である。 最初の認知機能障害群では、主な症状は新しことを記憶することの障害(昔のことは覚えているが)でその他には段取りをつける能力の低下、視空間認知障害などがある。認知症の進行の目安は長谷川式の簡略なペーパーテストでも評価できるが、生活機能障害の程度でも見極めることができる。初期には買い物や調理、服薬や金銭の管理能力が低下する。中等度以上に進行するとトイレ動作、着衣、入浴動作の低下などが起こってくる。 もう一つの群であるBPSDでは必ずしも上記で述べた認知症の進行に伴って出現するものでなく、家族が財布からお金を抜き取ったとかの物盗られ妄想、タンスから服の出し入れを繰り返す行動異常、自宅や行き先を認識できなくなり警察に保護されるケース、レビー小体型認知症の時に現れやすい幻視(ありもしないものがそこにあるように見える)などの症状が現れることがある。認知症には上記二つのタイプがあるのですべての認知症がもの盗られ妄想をもっているとは限らない。 治療薬については進行を遅らせる薬がいくつか使われているがケースによっては、良く効くこともあるが、効果があまり見られないことが多い。最近エーザイ製薬とアメリカ企業が共同で開発し第3相試験が終了して間もなく市場に出てくるレカネマブという薬がかなり期待されているが、その効果については未知数だ。 家族とかかりつけ医とが連携しながら診療していくことになるが、今では介護保険も充実してきているのでグループホームその他の施設でケアマネなどを介して面倒を見てもらうこともできる。 いつかは認知症を治す薬も出現してくると思われるが、それまでは、地域包括支援センターや介護専門職施設などの社会資源を活用しながら患者さんのGOL(生活満足度)を高めていくよう努力していくことが肝要と思われる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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