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テーマ:仏教について思うこと(1100)
カテゴリ:宗教
法華経はインドのお釈迦さんが法を説いて歩き、最後にお亡くなりになられた後に膨大なお釈迦さんの教えを編纂委員がまとめたもので、仏教の基本中の基本原典である。 日本でも仏教伝来以後、法華経は重視され、聖徳太子は法華経の注釈書「法華経義疏」を書き、鎌倉時代には道元は「正法眼蔵」の中で法華経を最も多く引用し、日蓮は法華経従地湧出品第十五で出現する地涌の菩薩や、常不軽菩薩品第二十で現れる不軽菩薩をわが身に引き当てて、法華経の行者として法華経を身読して、迫害を受けながら立正安国論を書いて国家諌暁したり民衆に広めたりした。 法華経には時間的には何万光年とか広さ的には何億平方とか弟子の数何千何百万人とか想像もできないようなスケールの場面設定が出てくるが、当時のインドの風習として話を大げさにして印象を強めようとしている面があるのだと思われる。 釈迦が無くなった直後は原始仏教として釈迦の言葉に比較的近い(正しい)教えが流布していたが次第に戒律を重視する小乗仏教が勢力を伸ばしてきた。 しかし生存中のブツダはそんなに厳格な規律を設けてはいなかったし、女性は成仏できないなどとは言っていなかったのに差別したり、釈迦の教えから段々離れていく状況があり、それではいけないと、ブツダの真の教えを纏める委員会ができて釈迦滅後役約500年してようやく完成したのが大乗つまり誰でも幸福になれる大乗の法華経である。それを漢訳したのが鳩摩羅什でその漢訳本を日本では唯一の法華経として用いてきた。 それに対してサンスクリット語に翻訳したものは長い間見つからなかった。ところが1837年英国人のブライアン・H・ホジソン氏がネパールでサンスクリット語の法華経の写本を発見してそれをオランダ人のJ.H.C.ケルン氏と南条文雄氏が校訂して1908~1912年にかけて出版され、ケルン.南条のサンスクリット語の法華経と呼ばれるものが世に出てきた。 本書の著者 植木雅俊氏はケルン.南条本に基づいて本書を書いたが、鳩摩羅什の漢訳本を良く調べてみると、鳩摩羅什版には結構誤訳が多いとのことだった。 法華経のエッセンスは常不軽菩薩品第二十にあり、不軽菩薩がどんなに悪口を言われ、蔑まれても決して怒らず人間尊重の振る舞いが出来たのは、あらゆる衆生に仏性があることを確信していたからだと述べている。 自己嫌悪、自己卑下の苦悩を超えて自己の尊さに目覚めることは、他者の尊さに目覚めることにつながり、カースト制度の階級差別や女人差別があってはならないとして、ブツダは4つに分かれた階級の内最下層階級(シュードラ)が身につけている墓地に死体を運ぶ時死体を包んでいる布切れを縫い合わせて袈裟をつくり、それを身につけて説法して歩いていたとのことである。 法華経とは「貴方は尊い存在で、貴方もブツダになれます」と人々に訴え、失われた自己を回復させて真の自己に目覚めさせる経典であると結ばれていた。 毎日のように殺人事件や詐欺事件が報道されている。また自暴自棄になっての自殺の報道もある。彼らは自分達の中にある仏性に気づいておらず悪魔の行動をしているのだと思う。法華経を広めて一人でも多くの人に自らが仏であり、ブツダであることを自覚してもらう必要があると思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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