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テーマ:介護・看護・喪失(5316)
カテゴリ:健康
ヒガンバナの葉の時期、周囲は寒さで全て枯れているがこのヒガンバナだけは瑞々しい葉を茂らせている。
今患者さん家族への病状説明が終わったところである。病気になる前は80歳の患者さんと70歳代の奥さんの二人で暮らしていた。娘さんは遠くに嫁いでいる。近々に退院期限が迫っていて自宅に帰るか施設を探すかで話し合った。 患者さんは白血球が減ってしまう骨髄の病気で感染に罹りやすくなり、腸炎になったり肺炎になったり腎盂炎になったりして高熱を繰り返していた。今度も重い肺炎で40度の熱が続き、回復は難しいと思われていたが、メロペンという抗生物質が奏功して熱が下がり、酸素吸入もしないで済むようになり、食事も食べられるようになって車いすで色々なところにも移動できるようになった。トイレにも行けるが自分で大小便をすることはできない。おむつで対応するのがいいだろうということになっていた。 看護師が「奥さんおむつ交換できますか」「お風呂に入れてやれますか」と聞いていた。奥さんも糖尿病や心不全があり、体が弱いとのことで介護で奥さんも倒れてしまうことを心配して施設入所を勧めていた。しかしご主人は絶対家に帰ることを主張しており、施設入所はまず受け入れてくれないとのことだった。それなら自宅退院して入浴などはデイサービスに行って入れてもらうようにしたらいいと思ってそのように話したら今までもそういうことがあったがデーサービスは絶対行かないと言って入浴やトイレ、体の清拭は奥さんの仕事で大変だったとのことである。そこで私に役割が回ってきた。 ご主人が絶対家に帰ると言っているなら、私(医師)が患者さんに「どうしても自宅に帰りたいなら、デーサービスとかヘルパーさんを活用するようにしなさい。そうでないと自宅には帰れません」と何度もかなり強い口調で言って下さいと頼まれた。 お安い御用だが、ご主人はそれを了解したふりをして、実際にはどこにも行かず奥さんにそっくり面倒を見てもらうことになったら奥さんの健康が心配だ。毎日の回診の中で、そこだけは必ず守ってくれるように話していくつもりである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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