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テーマ:理想の死の迎え方(44)
カテゴリ:生き方
ポーチュラカ
昨夜83歳のレビー小体型認知症の男性患者さんが亡くなった。1昨年7月から体動困難でパーキンソン病の診断で別医受診していたが、幻視、幻覚、行動異常、認知機能低下より、レビー小体型認知症と最終診断されて昨年9月には食事が食べられないので胃ろうを造設し、往診してもらっていた。昨年12月には肺炎と尿路感染症で入院し、当院に転院してきた本年6月までその病院に入院していた。当院入院時の状態は体を動かせない、言葉はしゃべれない、頸静脈部に中心静脈栄養のためのカテーテルが挿入されており、背中の仙骨部には褥瘡があり、皮膚、筋肉を貫いてぽっかり大きな穴が開いていた。引き受けた限りは真心こめて診療を行い、褥瘡については1日3回体位変換して薬を塗っていたが、改善は極めて困難の状態だった。栄養は首の血管から濃厚栄養剤を点滴し、喀痰が多いので定期的に吸引を行っていた。ところが2~3日前から、尿量が少なくなり600ml位になってしまい(通常は1000ml以上の尿が出ていた)心肺腎機能低下によるものと思われた。 そして昨夜お亡くなりになられたが痛いとか苦しいとかの認知機能は消失しており、苦しみはなかったと思われる。ここ2年位は家族とのコミュニケーションも取れなかったと思われるが朝危篤状態と言われてから夜7時過ぎまで子供達が交代でベッドサイドに付き添っており、いいお父さんだったのだと思う。 最初パーキンソン病と言われて徐々に認知機能が低下し、レビー小体型認知症と診断された頃には人格荒廃して、会話もできなかったと思われるが、発病前の奥さんや子供達に対する態度が良かったので、しゃべれなくなり、食べられなくなり、体を動かせなくなった終末期に奥さんや子供さん達の真心の看病が受けられたのだろうなと思った。人は必ずどんな形にしろ死ぬがその時周りの人達から真心の見送りをしてもらえる人は素晴らしいなと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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