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今が生死

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2024.11.16
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カテゴリ:生き方
アメジストセージ

昔、若手医師たちが集まるある会合で「優しさ」についての講演を聞いたことがある。
「もし他人の不幸を傍観して同情しても手を差し伸べないとすればそれは優しさではなく冷淡な人と非難されても否定できない。泥まみれの実践と溢れる正義感、エネルギーに満ちた生命を伴って初めて優しさは現れてくる」との教えだった。
医の原点はこの「優しさ」であり、それを発揮するためには日進月歩の医学の研鑽は勿論だが、強靭な精神や肉体の錬磨が必要であるというものであった。
ロシアとウクライナ戦争、ハマスとイスラエル戦争ではもちろん、シリアやアフガニスタン、リビア、イエメン、ミヤンマー、スーダンなどでは今でも内紛が続いており、多くの人命が失われている。医師は目の前の患者さんの治療に当たる一方で、紛争で失われている命のことも思う。国境なき医師団の一員になって活動を続けている人もいる。
その悲惨な状況に心を痛めていても何もしないのは卑怯者であり、泥まみれの救出行動があって初めて優しい人間と言えるとの講演はかなりハードルが高く、現実には何もできなくて忸怩たる思いでいる。せめて被害者の救出や衛生環境確保のためにささやかな寄付を行っているが、根本的解決にはならない。政治家を志したのはそのためだが願いをかなえることは出来なかった。








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Last updated  2024.11.16 14:45:33
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