カテゴリ:ベトナム政治・経済・社会観察
今回もまたディエンビエンフーに行ってきました。最近の出張続きも、これでひと段落でしょうか。毎回色々あり、今回はとても疲れましたが、また違った視点でベトナムを、またベトナムの北西部を見ることができました。
今回のテーマは「農林産品加工」、ベトナム北西部にも色々な可能性はあるにしろ、やはり農業、特にその農業に付加価値を付けていくための農林産品加工が大事であろうと、実際にそういった加工業を行っている企業を訪ねてみました。 まず訪れたのは、とある家具製造業者。木材は北西部の大きな資源の一つ。もちろん、これだけ気候変動の問題が叫ばれている中、その森林資源の使い方には注意は必要ですが。ここでは、様々な種類の家具や、ドアの枠、ベッドなどを作っていました。40人ほどの従業員を抱えながらも、まだ「会社」ではなく、「Co So San Xuat」(直訳すると「生産基礎」)、あくまで会社という形でなく家内工業の類型を出ていないと言うのです。それがゆえに、銀行からの資本借り入れなどができず、経営規模の拡大ができず、なんとか「会社」化、もしくは「合作社」化したいとしていました。正直この違いが謎。ある人に言わせれば、両者は共に税金も納めねばならず、国等による支援政策の違いはあるとのことでした。 ただ、ハタイ省から夫婦裸一貫でディエンビエンフーにやってきて、果物を売ったりしながらも実家のハタイ省で元々やっていた家具製造の職をここでも始め、5年でここまでの規模にしたと言う女性企業家のバイタリティーに感服です。 これは直接は関係ないですが、ディエンビエンフーに広がる田んぼ。このディエンビエン米ももっと加工を工夫し、マーケティングに力を入れてブランド化したいという思惑があるようですが、なかなか上手くいかないようです。 もう一つ訪れたのが、越中合弁企業、家畜の飼料を生産していました。ここも(中国人側は)女性経営者、彼女はそれ程ベトナム語が得意でないようで、久々に自分の中国語が活躍する機会が来ました!彼女曰く、ここでも資金繰りが大きな悩みのようで、近日報じられているインフレと金融引き締め、銀行の貸し渋りが尾を引いているのか、せっかくの機械は全然動いていませんでした。原料費は200%値上がりし、それに加えて銀行は更なる融資に非常に消極的で、厳しい交通インフラの状況もあり、他省には販路を開けていないそうです。それでも、とうもろこしや大豆の豊富な生産量からディエンビエン省を選んだのは間違えでは無かったと、強気なところも見せていました。ちなみに、意外にもディエンビエンフーには10数人しか中国人がいないとのこと。同じ国境地域といっても、やっぱりランソンとかとは違うんですねえ。 新聞で聞いていたような話も、こうやって実際にビジネスをやっている人から聞くと、また違った思いを抱かせるものです。また、地方政府の一緒に回ったのですが、このように地方政府と民間が会話する機会がもっと増えるのも、相互理解、更にはより良い政策にもつながるのかなあと考えました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年03月14日 23時25分01秒
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